自分を傷つける人たち　6

♠自傷が身近に？
自傷行為の社会での位置づけについても述べます。
昔から精神臨床の現場では自傷行為はもちろん、リストカットという現象はよく知られていましたが、当初はもっと身構えて診療に臨むような印象でしたが、最近のリストカットはもっと日常の風景の中でもしはしば遭遇し、身近で敷居が低い印象です。
リストカットを題材にした漫画やドラマ、小説が人気となったり、有名人、芸能人が過去の自傷行為を告白したりするなど、以前のように何としてでも隠さなければならない話題ではなくなってきたように思います。
若者がこうした話題に接することで、興味を持ったり、触発されてしまったりすることへの危惧もありますが、こうした行為について正しい知識が広まること自体は悪いことだとはいえません。