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うまい生姜焼きが作れたなら

漠然としたうっすら不安がずっと部屋や心の中を漂っている。いや、違う。漠然とも、うっすらとも言い切れない。実際は不安の根源は確かだが、大きすぎて全貌が見えないというところだろうか。対峙してもただの壁にしか見えていないのである。

不安の根源そのものに立ち向かうのは過酷かつ解決が難しい事柄なので、別の方法で和らげていきたい。

だから身のまわりの管理というか、整理というか、見える化を進めている。見えないものや流れに身を任せるしかないものが多いからこそ、見えるもの、手に届くものを増やせば少しは安心できるはずだと信じて。

すごく簡単なことからはじめている。
デスクまわりをすっきりと片付けたり、自分の平均収入から月々に使ってもいいお金を費目ごとに割り出したり。当たり前のことだが改めて。

これが割と効く。ちゃんとそれなりに暮らせているという感覚が生まれ、まだまだ全然大丈夫だと思え、いい未来が待っているという希望すら湧いてくる。

長らく体調を崩し、いつもながら咳が長引いているのだが、ランニングも再開して走れるようになればなおいい。体重が季節の流れに乗って順当に増えているので、ここらで逆風を吹かせて食い止めたい。

「食い止める」ってなんだ。食って、止める。なるほど。食えば悪い流れを止められるということか。そうかそうか。

そう思い、食にもこだわろうと考えている。家飯に。
こだわりたいといっても手間をたくさんかけた料理を作りたいという意味ではなく、「この料理はこのレシピ」という揺るがない自分なりのレシピみたいなものを固めていきたいなと。

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872字
現状打破の役には立たないけれど、コーヒーでひと息つくようなノンカフェイン文章

日常を過ごす太い人のゆるい日記、エッセイ集。がんばりすぎな人の緊張の糸を弛ませる無益な短文。

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