白馬で本屋さんセルフリノべでつくってみた(19) 飲食店許可の事前相談

建築検査済証、建築確認、消防検査、用途変更等の書類の事前調査と調整にかなり時間がかかりましたが、2階部分の宿泊施設に関しては進められそうな確証がでてきました。次は1階部分のカフェ/イベントスペースの下調査になります。1F部分も大町の保健所に確認をとります。飲食店許可営業に関しては、東京で僕が運営しているSalon de zuppaでも取得していたので慣れたものです。念の為おさらいをしておきますと飲食店営業の許可申請には以下の手順となります。保健所に事前相談する

  1. 飲食店営業許可の申請を行う

  2. 保健所による立入検査を受ける

  3. 飲食店営業許可証を受け取る

  4. 消防署に防火管理者を届け出る

  5. 飲食店の営業を開始する

保健所の指定する飲食店としての要件が整っていれば、さほど難しいところはありませんので、皆様も申請はご自身でされると良いと思います。ただし、飲食店としての要件が整っていればという前提になりますが。
はじめに事前相談をしておいた方が良いのは、デザイン重視で作ったはいいものの、施工が終わった後に審査が通らずに一部を作り直しが発生する可能性がゼロでないからと聞きます。
また市区町村によって保健所の検査の厳しさも異なるようです。

事前相談をする

コロナ禍で電話とメールのみで相談を進めたい旨をお伝えすると気持ちよく了承してくださいました。
担当の方にある程度片付いている状態の写真と、現状予定している図面を送付してくださいと言われます。

この1F部分の完成写真は以下のような図面です。pptで書いた相当しょぼいものですがこれでも十分です。

pptで作成した図面

Re:Publicは新しく飲食店を始めたい人の為のトライアルの場にしていく計画でしたので、レンタルキッチンとしての利用も想定していましたが、話がややこしくなるといけないので、まずは飲食店としての要件をどうすれば満たせるのかを確認します。

保健所の方に色々とアドバイスをいただきます。
基本的な考え方は厨房と提供スペースを分ける事と衛生管理なのですが、今回noteでシェアしたい特に気をつけておいた方が良いポイントを記しておきます、こちらの3つです。

  1. 厨房の天井の処理

  2. 換気設備の設置が十分か

  3. 照明色と明度

    1)天井は平滑である事が必要になります。厨房の天井は埃などが落ちない、衛生環境が保たれて調理できる状態が必要となります。
    東京によく見かけるコンクリート打ちっぱなしで吹き抜け天井の飲食店の厨房部分だけ吊り天井になってたのはそういう理由でした。大町の保健所の方に教えていただき、合点がいきました。たとえば池袋のイケサンパーク内にあるEAT GOOD PLACEは鉄骨の雰囲気が似ているので、当時チェックをしていたのですが、厨房は写真のような感じで小部屋のようになっています。清澄白河のBLUE BOTTLE COFFEEも同様ですね。
    https://ikesunpark.jp/

Re:Publicの鉄骨によく似ている
厨房は奥


BLUE BOTTLE COFFEEも天井部分は平滑になっています


2)換気設備の設置は基本中の基本なのですが、何をもって十分とするのは解釈がわかれるところなので、個人で申請される方はしっかりと事前確認をされた方が良いと思います。Re:Publicは電熱の調理器の上に換気設備をつけましたが、室内全体に換気できる環境が整っていたために、保健所の方にも必要最低限の設備という意味では不要ですよ、と言われました。

3)照明の明度は調理場の目視環境の確保のためにご指導いただきます。照明の色もどうやら昼白色がのぞましいようです。Re:Publicではキッチンを利用せずにイベント会場としても使うケースもありますので、調光調色可能なものにしました。

ちなみに、最終的な申請時に必要な申請書類は以下になりますが、こちらは特に難易度は高くありません。

  • 営業許可申請書

  • 施設構造と設備を示す図面

  • 食品衛生責任者の資格を証明するもの

  • 水質検査成績書(水道水の場合は不要)

  • 登記事項証明書(法人の場合のみ)

水道の水質検査も今回は不要ですので、必要のある書類は少なくて済みます。
食品衛生責任者は講習を受けるだけで取得できる簡単なものです。現地で取り仕切る予定の人間に、あらかじめ講習を受けておくように依頼しておきます。


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