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N.Tanaka_jp
2022年4月3日 00:33
齢八十二の母。先月、母は七十才で死ぬと思うと俺に言った。もうこんな調子だと八十まで生きられないと、思い詰めるように。俺は少しの戸惑いと寂しさが一気に込み上げる。でも気持ちを切り替えて、そんな母に明るい口調で聞いてみる。「母さん、今いくつ?」しばし考える母。「六十三」ニヤッと笑いながら答える。ボケてるのか本当にそう思っているのかもう一度同じ質問をした。「で、いくつ?」母の目を見て微笑み