映画『PERFECT DAYS』感想と出版のお知らせ 「ミニマリスト消費」という補助線
映画『PERFECT DAYS』をシネプレックス旭川で見ました。ラストシーンがものすごく美しくて、あのシーンを見れただけで劇場まで足を運んでよかったです。
ラストシーンに限った話ではありませんが、音楽がすばらしかったですね。田中泯さんやアオイヤマダさんといったダンサーが起用されているのも納得できました。主演の役所広司さんの代表作も『Shall we ダンス?』ですしね。ミュージカル映画やミュージシャン伝記映画などと同じぐらい音楽(及びそれと連動する情動や身体性)を重視している映画だったように思います。
ただ初見の段階では、「好きな映画か」と聞かれれば「うーん」というのが正直な感想でした。かつてリッチなビジネスパーソンだった人が、今も当時身につけた文化資本を大事にしている話、なのか?そうかな?というもんにゃりした理解しか持てなかったからです。
吉村純一先生のこちらのnoteを読み、かなり「ふむ!」と理解が進みました。2020年代の家族不在の東京で、ミニマリスト的な価値観を持って暮らしているのが本作の平山であるという論考です。面白〜い。『東京物語』と重ね合わせて分析されています。
さらに、井口詩織先生の書いたこの説明を読んで、「ふむふむ!」となりました。これまた面白〜い。
(平山、「私」を探求してたよ!快楽、引き出してたよ〜!)と納得できました。「ミニマリスト消費」という補助線を引くことで、映画『PERFECT DAYS』への理解を深めることができました。現代的な暮らしが巧みに描かれた映画ということなのだと思います。
さて、この『消費文化理論から見るブランドと社会』という本、私も参加しています!初めての本です!私は5章で資生堂の事例を用いてジェンダー表現に関わる広告炎上の分析を行っています。
執筆者には少しだけ早く本が届くんですが、すぐに(なんて面白い本なんだ)とニコニコしました。マーケティングを通じて、現代社会を捉える新しい視角が得られると思います。とてもいい本なので、お手に取っていただけたら幸いです。
Amazon、楽天ブックス、honto、紀伊國屋書店など各ウェブストアで購入できます。ジュンク堂丸の内本店及び池袋本店、紀伊國屋新宿本店などでは在庫○になっていたので、新着コーナーに並べてあるんでしょうか?書店に並んでいるところも見てみたかったです。本学の学生は、大学生協で購入するとちょっとお得に買えるはずですよ。
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