【第4回】休むって大事だぞ?
私は今、大学二年目の後期を休学している。それは、大学に対する不信感と言うか、簡単に言うと大学が嫌になったことが主な原因である。
大学を休学して気づいたことを書こう。その前に、簡単な経緯だ。
大学一年前期
ひたすらにボランティアをしていた。それは、高校卒業時の原体験をもとに、人と話すことの重要性を痛感したから。私の通う島根大学には、そのようなボランティアをするプログラムがあったのだ。人と話すことができる、それなりのコミュ力と、多様な価値観・考え方を学ぶ。
大学一年後期
ひたすらイベントに参加した。前期の終わりに出会った先輩の自由な姿に触発され、私も学外に出たいと思ったのである。岡山(出身)と島根を行き来し、前期に培ったコミュ力で人に話しまくり、人から聞きまくり、知識を蓄え、価値観を形成した。そのうちに自分でもイベントを開催するようになった。
大学二年前期
一年のころのようなモチベがなくなり、何をするか悩む。ボランティアにもイベントにも顔を出さなくなる。同時に、大学の学びに疑問を抱くようになり、憂鬱な日々を過ごす。
転機 休学する
憂鬱だった私だが、「東京実習」(島根県と東京の交換留学プログラム)には参加したいと思っていた。このプログラムに参加するなら後期の授業や教育実習(島根大学教育学部では1年から毎年実習がある)にはどうせ参加できない。「だったら、嫌な大学なんて休学してしまえ!」そんな、自分を肯定するような理由が見つかったことを皮切りに、休学を決意。(もちろん大学にいるのは嫌だったのだが、それだけで休学する決断はできずにいたのだ)
休学中(大学二年後期)
東京実習(9/8~11/8)から始まり、岡山と島根を行き来しながら、これまでできていなかったことをひたすらしていた。本を読み、会えていなかった人に会いに行き、複数の教育現場を視察・見学させていただき、などなど。同時に、生き方やあり方(being)についてひたすら問い直す。俺は何者で、何がしたいんだろう、何を求めているのだろう、何ができるんだろう、などなど。そこで気づいたこと、わかったことはたくさんあるのだが、ここでは書かない。
休学して大きく変わったこと
休むことって大事だなって思えた。
ひたすらに突き進んでいた一年のころは楽しかったし、学び多い時間だったのは間違いない。でも、時折不安が襲ってくるようで、このままでいいのか、俺は何をしているのか、何をしたいのか、それがわからないまま、考えないまま、むしろ考えないようにして、考えないようにひたすらにイベントに行っていた。なんだか猪みたいだったなって。
それが今は止まることを覚えて、立ち止まって、後ろを振り返って、今を見つめて、先を見通すことができるようになっている。これは大きな変化であろう。休んだからそれができた。時間的な余裕と、心の余裕と、頭の余裕と。ゆったりとして、自然体でいられた。このころからだろうか、深く考えすぎなようになれたのは。
これまでの私は、考えることは得意なものの、考えすぎてしまうくせがあった。それが薄れている。考えるべきところでは考えられるのだが、感じることが、考えないでいられることができるようになってきていた。それは、時間的余裕と心理的余裕とが関係しているのだろう。
4日にあったオンラインイベントに参加した。そこで出てきた話にひどく共感したのでシェアさせていただく。
「変わらなきゃ、新しいこと生み出さなきゃという強迫観念」が働いているのではないか
これあるね!まさに一年のころの自分もそうだし、二年になって何しようかわかっていなかった自分もそうだったのだと思う。意識高い大学生って周りからの目があるから、一度イベントに参加して、「すごいね」って言われると、そうならなきゃ、そうあらなきゃって思ってしまって、またイベントに参加する。次のステップに行かなきゃ、何か大きいことしなきゃみたいな。
つらいよね(笑)
全部が全部そうだったわけではないし、そういう想いだけで動いていたわけではないが、こういう一面がなかったかと言われば、返答に困る。
「休学」について
休学って、「何かするためにする」ってイメージはあるし、実際そのためにしている人って多い。インターンとか、留学とか。それはそれで超素敵!
けど、「休むため」に休学する人ってあんまりいなそうだな。もっとあっていいと思う。
海外にはギャップタームって呼ばれる時間があって、大学に入る前に、1年間(もっとする人も)自分を見つめなおす期間とか、高校時代にできなかったことをする期間を設ける人が多いんだよね。日本ほど年齢が変わらない大学生が多いのは珍しいよね。(それがいい悪いという話ではない)
「社会時間」「自然時間」って概念とかあるし(気になる人はググって欲しい)、哲学者の内山節さんの「直線の時間」「円環の時間」なんて話もある。ゆったりしていることが田舎の良さであったのに、最近はテクノロジーの発達に伴って、田舎でもゆったりしてないんじゃないか。テクノロジーの発達に伴い、生活が便利になる一方で、時間に追われる人が増えているのはなぜだろう?そんな話もある。
一度立ち止まって考えてみませんか?
これから
これからどうするの?復学するの?ってよく聞かれますが、
「はい、4月から復学します。」
なんだか、大学に行きたくなってきた。それは、今の自分が認められたからで、自分のことについてある程度考えられたからで、心に余裕ができたからで、やばかったら逃げられるということを覚えたからで・・・。あげればきりがないほどにたくさん復学できる材料(理由)はそろった。
この、休むということ(ゆとり)はこれからも持ち続けたいなって思っていて、最近では仏教とか座禅に興味ある。マインドフルネスっていう概念とかあるけど、それよりは私には仏教の考え方とか、修行の仕方が合ってそうだなって思った。やっぱり日本人の血があるんですかね?(注意:出家するわけではないですよ笑)
最後に、
休学(休むための休学)は選択の1つとして考えて欲しいなって思う。もっと当たり前の選択肢として増えていいんじゃないかなって。私は推奨していきたい。ただ1つ、条件と言うか、これだけはわかっていないといけない。
責任は負わなきゃだめだということ
就活とか、卒業とか、休学したらその分だけずれる。最近はそのあたりも寛容になってきたのだろうが、それでもまだまだな業界もある。また、休んだ理由をきちんと説明できないとだめだ。
同時に、授業も遅れるし、履修とか、大変になる(こともある)が、それらをきちんとこなせるのであればだ。
ま、私は、後先考えずに動いたけど(笑)
いざとなれば辞めることも選択肢の1つだし、休学した当時は、逃げる(離れる)ことが最優先事項だったのだ。
それに、責任を自分で終えるって最高じゃないですか♪
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