(22) 通勤時間が爆長くなったので毎日本を一冊ずつ読むことにした
通勤時間を利用した読書の記録です。相変わらず津野米咲が死んだことが辛すぎて泣きながら通勤したりしているがおおむね元気です。
116. 僕たちは愛されることを教わってきたはずだったのに
久しぶりの二村本! 少女漫画の分析をベースに、二村流恋愛論を楽しめる本。相変わらず「心の穴」「恋と愛の違い」「ヤリチン」の解説には唸らされるし、本人がかなり盛り上がり興奮しながら書いていることが分かる章もあって面白い(最後のほうに、その章二つはとりわけ書くことに溢れていて止まらなかった というようなことが書いてあって、「ここまで読んでいれば分かるよ!」と微笑ましく思った)。
セックスが必要ない女性たちがいてガーンときた(意訳)というくだりで、「えっ、そんな基本的なことを?!」と思ったが、たしかに女性性=性的とされがちなこの世で、女性であること(=女性性を持っていること)=性的であることと判断するのは無理のないことかもしれない。ちなみにその章に書かれていた「セックスが必要ない女性」として想起された「大学時代、いつもネクタイを締めて、前の方の席で真面目に勉強していた女性」というような表象があったが、それはどうかな? わたしも大学時代いつも男の子みたいな格好をして(髪を切るたびに学部の教授に「あら〜!また男の子みたいになったわね〜」と言われていた)めちゃくちゃ前の方で講義を受けていたけど、セックス大好きやぞ。
その辺含め、また信田さよ子さんあたりに突っ込まれたらボロが出るんだろうか。あれ本当に面白かったな……。ああいうのを期待して二村本を読みたくなる悪い部分もある……。(信田さよ子さんに突っ込まれてボロが出た二村ヒトシ氏は、『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』をご参照あれ。)
117. 酔うと化け物になる父がつらい
『生きやすい』が面白かったので、著者の代表作を購入。いやーーーーつらかった!!! 何しろ小次郎(わんわん)がまだ出てこないから救いがなくて……。これを自分で消化して描けるようになるまでどれだけの時間がかかったのだろう。妹さんが屈託なく明るく父親に接するシーンで「妹さん、すごいな」と思っていたが、妹さんも無理して明るく振る舞っていたことが分かって、「そうだよね」と思うと同時に、すごく辛くなった……。アダルトチルドレンのクラウンやんけ!(それでいうと著者本人はケアテイカーだ。。わたしもそれだ。。つらい。。)しかも同じ家に住む兄弟間でも無理していると分からないくらい自然にやってのけていたのだから、その苦労たるや凄まじかっただろう。また本人が暴力を振るう側に回ったり、DV彼氏と結婚寸前まで行ってしまったり、「いやー わかるよ」と言いたくなるようなヘビーさ……。
その人の置かれた状況や心情の言語化というか、漫画化がとても巧みなのか、スーッと読めるのにどこまでもヘビーな話でクラクラしてくる。これはたしかに話題になりますねー。
118. アスピーガールの心と体を守る性のルール
志村貴子の表紙で買ってもうた。主に思春期に差し掛かるあたりのアスペルガーの女の子に向けて書かれた性教育の本。個人的に知っている内容は多いけど、社会的意義があるという意味でいい本だった!! 性的な話をする前に「サポーターを確保する」という段になるのは本当にそのとおり。「絶対に彼氏にしてはいけない人」「彼氏にしない方がいい人」はアスペルガー関係なく本当に大事だよ! みんな!!と思う内容。あと、彼氏以外の人とセックスをしてはいけない理由のくだりがとても納得できた。
相手のことを愛していない場合、また愛していたとしても気持ちの準備が整っていない場合、とても怖い思いをするかもしれません。
性的快感は脳や感情に影響を与えます。
人間の脳というのは、感情(考え)と感覚(体験)をつなげる作業を無意識に行っているものです。望ましくない相手と関係を持つことによって、脳の中でその嫌な体験が、本来いいものであるはずの性的快感と結びつけられてしまう可能性があるのです。
もしそんなことになったら、愛し合っている相手との安定した関係の中で行われるセックスが、過去の嫌な体験を思い出す引き金になってしまうかもしれません。
いや本当に、その通りだよ!!!!今まで見聞きした「彼氏以外の人とセックスしてはいけない理由」の中で一番論理的に納得したわ!! 過去のわたしにも伝えてほしい。結果オーライだからいいだろと言われそうだが…… 本当に、本当に、よく知らない男と性的関係を前提として飲んだりするのは本当に、良くない。それが自尊心や性的感情や何かをくすぐってくれるとしても。(もうしません!)
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