(50) 通勤時間が爆長くなったので毎日本を一冊ずつ読むことにした
通勤時間を利用した読書記録です。家でもたくさんの本を読んだ。新生活応援2ヶ月99円のKindle Unlimited、やはりと言うべきか、解約し忘れて1ヶ月分余計に自動延長されてしまった。てへぺろでござんす。(死語か?)
317. 自傷行為の理解と援助
Kindle Unlimitedより。自傷をする若者と接することの多い大人たち(医師・看護師・臨床心理士・そして中学高校の養護教諭やスクールカウンセラーなど)をターゲットにして、自傷行為がどのようなものなのか・自傷行為を行なう若者に対してどのように接したらよいか、実践的な内容が書かれた本。わたしが自傷をしていた中学生のころの周りの大人たちのことを考えながら読んだ。
途中で、援助者が親にどう説明するか?みたいな下りがあり、そこは全面的に「そうですよね」という感想なのだが、特にここの部分は大きく頷きながら読んだ。
ここで注意してほしいのは、必ず本人との同席面接で親に伝えることであり、もしも親が面接に来ることができず、やむを得ず電話で伝えなければならない場合には、ぜひ本人がいる前で電話してほしいということです。
わたしはずっと自傷行為をコントロールできているつもりだったけど、この本にたくさん書かれているケースと同様に、だんだんコントロールができなくなってきて、とうとう学校で及んでしまい、そこで当時の担任にバレたのだった。担任は親をわたしのあずかり知らないうちに呼び出し、あるいは電話をし、事情を説明したらしい。全てわたしの知らないうちに話が進んでいた。あとで親は「担任にリストカットのことを訊かれたけど、『離婚するつもりなので』と言った」と言っていて、どういうこと? わたしが自傷していることって、離婚と関係あるの? そもそもなんでわたしのやってることをこんなにぐちゃぐちゃ言われなきゃいけないの? 誰にも迷惑かけてないのに。先生にバレたのはまずかったけど。 どうせ話聞いてくれないくせに。と思った。
読み進めていくうちに当時の様子がありありと思い出され、思考は海底に潜り込むようにして広がっていった。あのとき、担任がわたしを同席させてくれていたらどうなっていたんだろう。わたしは親が離婚したいと言っているという謎情報だけをもらって、多少なりとも混乱していたような気がするんだけど、目の前で聞いていたらそんな混乱を引き起こすことはなかったのだろうか。だけど、あの人たちが素直にわたしの目の前で本人たちの関係性を曝け出せる筈もないのだよな。父も母もかっこつけで、子どもにデカいことを言うくせして、実際揃ってダメダメ人間だった。そしてあの頃は、それをわたしに把握されないように必死に取り繕っていた。あの頃のふたりが、わたしに弱みを見せられていたらどうなっていたんだろう? 親は子どもを教え導くものという考え方に囚われていなかったなら、どうなっていたんだろう?……いや、そんなことはあり得ないのだよな、あの二人はそれぞれのダメなところに惹かれ、ダメなところを補完する関係であってこそ成立していたのだから。………
深く深く潜ったあと顔を出したら、本が終わっていた。長い旅から帰ってきたような気分だった。
318. お母さん、私を自由にして!
Kindle Unlimitedより。カウンセラーの方が書く、毒母本。正直毒親本ってありふれているし、知ってることの繰り返しの本でも読めればいいかと思って開いたけど(失礼)、めちゃ面白かった!!
この本の特徴は、毒母たちを面白くカテゴライズしているところ。いわく、
①毒舌・罵倒は当たり前 ジャイアン母
②いつもつらそうな被害者 かわいそうな母
③ 手段を選ばず思いをとげる パフォーマンス母
④ 献身しながら巧みに支配 至れり尽くせり母
⑤ 子どもと向き合うのが怖い 逃避母
⑥ 自分がどう見えるかが何より大事 自己愛母
の6分類とのこと。そのうち、ジャイアン母、パフォーマンス母、自己愛母を兼ね備えている母の毒はかなりきついものとなり、このカウンセラーさんは「特級毒母」と呼んでいるらしい。ネーミングセンスが面白すぎる。呪物か?
ちなみにうちの母は、ジャイアン母・かわいそうな母・パフォーマンス母・逃避母・自己愛母と、至れり尽くせり母以外は全網羅しており、超特級毒母(笑)! 本当にありがとうございました。
超特級毒母だから、この本に出てくる娘たちのように電話はしてあげるとか、実家にはたまに帰ってあげるとか、そういうことすら私はできていないけど、それでもいいんだよね? ってちょっと安心した。
めちゃどうでもいいけど、超特級毒母って、空母みたいでかっこいい字面だな。
319. 誰も教えてくれない 大人の性の作法
図書館で借りた。大人の性教育を語る本らしい。男編と女編に本文が分かれてるんだけど、男が「未婚」「非正規」「貧困」「経済」!! みたいな構造的な話をしているのに対し、女編が「自分の性器って、見たことありますか?」「セルフプレジャーって、恥ずかしくないことなんだよ☺️」みたいな超個人的な話から始まっており、いや、大人の男女のジェンダーを語るなら、まずそこの差異を掘り下げるところだよ!(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)と思った。10歳上の人たち向けに書かれたセックス啓蒙本が自分にとってはクソつまらないことを忘れて何度も手にしてしまうのはなぜ。く〜。
320. 日本の包茎 男の体の200年史
図書館で借りた。仮性包茎の人は女を二度喜ばせることができる!みたいな言説がちょっと昔にあったらしい。そんなわけあるか(笑)。
今これを読んでるよ〜って仮性包茎の男の人に言ったら「怖い」みたいな反応をされて、なんで?と思った。
321. 奇妙な死刑囚
図書館で借りた。めちゃいい本!! 類書は『夜と霧』。人種差別の残るアメリカ南部のアラバマ州で、無実の罪を着せられ、30年以上死刑囚として投獄され、2015年に出てこられたかたの手記。
この人はとにかくこころ優しい人で、お母さんとちゃんと愛情を分かち合っているところがすごい!! 「自分が他人からどのように評価されても自分の価値が揺らぐことにはならないのだ」ときちんと教えてくれるお母さんがいることは、本当に大きな力になるでしょうね。
本当にいろいろ面白かったけど、特に囚人たちの間で読書会をはじめた下りが印象的だった。空想の力で酷い現実を乗り切ることを、読書が教えてくれる。と。そうだなー。わたしも読書で現実から逃げることたくさんある。教育が施されていないとその自由も奪われてしまうんだよな、とかも考えた。
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