岩手蕎麦紀行 〜十割そば しんざん〜
今回、蕎麦を嗜みに訪れたお店は雫石町の『十割そば しんざん』。岩手山の麓、蕎麦激戦区雫石町において『十割蕎麦』にこだわる人気店。
やや遅めの昼食タイムであったが、３組ほどの待ち客。待つのは当然好きではないが、多少待たせてほしいと思うのも事実。行列までとは言わないが、ある程度待ち客がいる方が期待感は自ずと高まるってもんである。
しばらく待つともう１組待ち客が。ピカピカの黒光りBMWからのっそりと降りてきたのは、BMWより黒光りの初老小太りセレブ爺と肉付きの良い香水ぶっかけお水レディー。こいつらと隣だけは勘弁と切に願う。
数組の食後客と入れ違いで店内へ。願い通じ、彼奴らとは離れた席へ。ひと安心。
注文したのは、もり蕎麦とミニ天丼のセット。
まずはひと啜り。強すぎず程よいコシ。グッグッグッ。来た！さすがは十割。蕎麦の香りが勢いよく放出。しかも、十割にも関わらず、喉越しもつるっと。十割独特のぶちぶち切れた麺でもなく、ズズズと啜りごたえあり。
まさに上品で繊細な蕎麦といったところだろう。岩手山の麓で優雅な大人の時間を堪能した気分である。
そして、こちらの天丼も絶品。レベルがあまりにも高い。一つ一つが美味であるのだが、特に圧巻なのは天ぷら界のエース『海老天』。まず、海老自体が甘くて大きく、クオリティが非常に高い。その海老に薄手の高級カーディガンをさりげなく纏わせたような熱々の衣のサクッと感が海老のプリッと感を最大限に引き出している。
素晴らしき蕎麦と天丼を嗜まさせて頂きました。
『十割そば しんざん』。
ご馳走様でした。