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白保人:日本最古の人類、その謎に迫る

沖縄県石垣島にある白保竿根田原洞穴遺跡で発見された白保人(しらほじん)は、日本の考古学史に新たな一ページを刻みました。約2万7千年前から16世紀頃までの長い歴史を持つこの複合遺跡は、国内最古の全身骨格が発見された場所として、世界中の考古学者の注目を集めています。


偶然の発見と驚きの事実

白保人の発見は、新石垣空港の建設工事中に偶然もたらされました。2007年、NPO法人沖縄鍾乳洞協会による調査で洞窟内から人骨の一部が発見され、その後の発掘調査で1,000点以上の人骨片が出土したのです。

中でも特に注目を集めたのは、約2万7千年前の男性のほぼ完全な全身骨格でした。放射性炭素年代測定の結果、この人骨が日本最古級であることが判明し、学術界に大きな衝撃を与えました。

白保人の生活と文化

白保人の生活様式は、出土した人骨の状態や遺跡の状況から推測されています。例えば、4号人骨は仰向けの姿勢で膝を胸の前に折り、両手が顔の近くになるように肘を曲げられており、これは人為的に安置された可能性が高いと考えられています。このことから、風葬が行われていたのではないかという説が有力です。

また、国立科学博物館が行ったミトコンドリアDNA分析の結果、白保人の一部は南方系由来のハプログループM7aに属することが明らかになりました。このことは、白保人が南方から移住してきた可能性を示唆しています。

復顔と展示

白保人の頭骨から復元された顔の模型は、東京の国立科学博物館で展示されています。この復顔模型は、筋肉や皮膚、髪の毛などを科学的に検討して再現されたもので、2万7千年前の男性の顔を現代に蘇らせています。

白保人が語る日本の歴史

白保人の発見は、日本の旧石器時代の研究において非常に重要な位置を占めています。彼らの生活や文化、遺伝的背景についての理解を深めることで、私たちは日本の歴史をより深く理解することができます。

白保人は、私たち日本人の祖先がどのようにしてこの島々に渡り、どのような生活を送っていたのかを教えてくれる貴重な存在です。今後も、白保人に関する研究が進むことで、新たな事実が明らかになることが期待されます。

まとめ

・白保人は、沖縄県石垣島の白保竿根田原洞穴遺跡で発見された日本最古級の人類

・約2万7千年前の全身骨格など、数多くの貴重な人骨が出土

・南方から移住してきた可能性があり、風葬が行われていた可能性も

・頭骨から復顔模型が作成され、展示されている

白保人の発見は、日本の考古学史における大きな発見であり、今後もその研究は続いていくでしょう。

【免責事項】 本記事の内容は、あくまで一般的な情報であり、正確性を保証するものではありません。

参考サイト

(1) 白保竿根田原洞穴遺跡 - Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E4%BF%9D%E7%AB%BF%E6%A0%B9%E7%94%B0%E5%8E%9F%E6%B4%9E%E7%A9%B4%E9%81%BA%E8%B7%A1.

(2) 2万7千年前の男性の顔はどんな顔? 石垣島白保の旧石器人 .... https://ryukyushimpo.jp/news/entry-704287.html.

(3) 5.白保4号頭骨の形態比較と復顔. http://hrp.hc.keio.ac.jp/wp-content/uploads/2021/10/38ba76a1ba8df0639c118319733180fe.pdf.


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