【FCHD】2022.06期 - 中間
会社概要。以下四季報などから。
道路、橋梁、鉄道の調査、設計コンサルタントが中心。交通調査・自治体都市計画など官需に強い。
認識基準変更で上期売上22億円カサアゲ。
インフラ老朽化・防災対策が伸びる。
賃上げの一方、受注単価の技術評価も上昇。外注費こなす。配当上振れか。
翌期も公共予算着実。海外現地作業動き出す。
政府認定の「基山町スマートモビリティ」の実証実験に参画。
沖縄市と共同でコザ公園ホテル建設へ。
新中期計画策定中。河川/構造設計分野のM&Aに意欲的。
【経営成績】
中間実績。売上39億円。営業利益2.5億円。営業利益率6.5%、当社にとって中間のPLを見ることにあまり意味はないが。認識基準変更の影響で売上が大きく乗っているその分だけ、各数字が良く見えている状態。
対前期。+22億円増収。+6.1億円増益。営業利益率は見かけ上+28%もの大幅増。
対計画。見かけの進捗率は良くない。ただ当社は4Qにまとめて損益など認識計上される特性があり、現時点での進捗率の数字にあまり意味はない。
★営業キャッシュ・フロー
営業CF。少なくともPLよりは大事な情報。中間の実績は▲17億円。
対前期で▲5.9億円の減少。
売上債権▲20億円、棚卸資産+12億円、税引き前利益+8.7億円、その他▲6.7億円、減損損失▲2.6億円等々。
【財政状態】
自己資本比率 53%
d/e ratio 0.56倍
流動比率 160%弱。
ネットキャッシュ▲15億円。
時価総額43億円。小さい。
ネットキャッシュが赤。それなりに頑張ってファイナンスしている。キャッシュを豚積みして安心している企業よりは良い。ただ時価総額はまだまだ全然小さくて、市場の信頼を得ているとはまだ言えないだろう。
【経営指標】
ROE, ROA, ROIC それぞれなかなか良いスコア。現時点で計画数字などの変更もない。
PER 7.2倍、PBR 0.8倍、PBRは当然の1倍割れ。頑張ってファイナンスもしているし、損益だって通期ではちゃんと赤字にしているのに。
マルチプル5.2倍。安い。
FCF▲8億円弱。カネもそれなりにちゃんと使っている。
配当利回りが2.3%とそこそこ。WACC 1.3%, 配当性向17%と適正でしょう。増配よりも自社株買いしたほうがいい。
【総括】
当社の特にPLは通期のものを見ないとあまり意味がない。ただ現時点でガイダンスの修正はないので、計画は順調に消化しているのだろうと思われる。
財政状態としてはD/E RATIO が0.5倍、ネットキャッシュが▲15億円とそこそこ頑張ってファイナンスをしているように見える。バリュー銘柄の悪い癖としてキャッシュを豚積みしてしまうことがある。もちろん、無駄遣いをしたらいいというわけではないが、経営者の安心のために貴重なキャッシュが死蔵されてしまう社会的な弊害のほうが大きくなっているような考え方もあろう。
PBR 0.8倍、マルチプル5.2倍。バリュー株と言っていいくらいの安さだろう。増配よりも自社株買いなどして欲しい。また株式分割等するのもいいでしょう。