しあわせを感じるためのごはん

白ごはんに合うおかずがすきだ。きゅうりのぬか漬けにあつあつの白ごはんも最高だが、脂ののったブリの刺身をシソで巻いて、醤油にチョンとつけてたべるのも、いい。冬はキムチ鍋にたまごをぽとんと落とし入れるのが爆発的にすきだ。箸でたまごの黄身をつついて、とろりとさせ、キムチや野菜、すき焼き風に豚肉を絡めてたべ、すぐに白ごはんを頬ばり、鍋の汁をすする。この世の至福がここに一気に集結したような満たされた気持ちになる。生きててよかったあ、と言うと、え、死のうと思ってたの？と息子につっこまれるのだが、そういうことじゃない。あたたかいごはんを器にもって、ほかほかした気分で、ああ、うまい、と、味わいたいじゃない、生命維持だけのための摂取じゃ味気ない。もっというと、うまい飯を、うまいねえと誰かと分かち合えたらこれ以上しあわせなことはない。