富山オタクが語る!富山の建築
生まれも育ちもずーっと富山。生粋の富山っ子。
自称“富山オタク”こと、ことちゃん(德田琴絵さん)。
富山のイマをを知るなら、この人に聞かない手はありません。そこで、数回にわたって富山オタクがオススメする富山のスポットや、富山のよさ、注目している新店などをこっそり教えてもらいました。
富山を初めて訪れる方も、富山への移住を検討している方も、富山にずーっと住んでいる方も、一緒にことちゃんから「新しい富山」を教えてもらいましょう。
ことちゃんは、街歩きをして「建築」を楽しむのが好きなんだそう。そこで、ことちゃんシリーズの第四回目は、ことちゃんが注目している富山の建築をご紹介します。
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◎隈研吾さん設計の名スポットたち
富山市ガラス美術館「キラリ」©︎富山市
実は、富山県内にはかの有名な建築家・隈研吾さんが設計した建物がたくさんあります。
ことちゃん「有名なのは富山市ガラス美術館(富山市)です。富山県産のスギ材をふんだんに使ったデザインが特徴です。」
外観には御影石、ガラス、アルミの異なる素材を組み合わせており、表情豊かな立山連峰を彷彿とさせる外観。また、内部は富山県産材の羽板が連なっており、写真映えするスポットとして多くの方がカメラを構える姿を見かけます。
実は富山は「ガラス」のまち。売薬が有名な富山では、300年以上前から、薬瓶の製造が盛んに行われていたことがきっかけでガラス作りが行われてきました。
富山市内には、今回ご紹介した「鑑賞の場」富山市ガラス美術館以外に、「学びの場」である富山ガラス造形研究所、「制作の場」である富山ガラス工房があります。ガラス作りに集中したいと、県外から富山市へ多くのガラス作家さんが移住してきているんですよ。
同じく隈研吾さん設計の新スポットが、2020年にオープンしたヘルジアンウッド(立山町)です。本施設は、前田薬品工業が運営する「和洋のハーブの香り、食、宿泊、トリートメントなど様々な形で体感することで、心もカラダも本来の豊かな姿へと生き返っていけるような場所」をテーマに作られた施設。
ことちゃん「入口やトイレのサインを立山町の陶芸家・佐藤みどりさんが手掛けています。」
細部までこだわった作りに注目です。
最後にご紹介する隈研吾氏設計の施設は、富山市呉羽(くれは)にある「呉音(クレオン)」。富山県産のこだわりの食材をふんだんに使ったメニューが美味しいレストランです。
屋根で緑を栽培できる仕組み「グリーンビズ」を取り入れている珍しい建物。非日常感を感じられます。
◎富山の美しい景観を丸ごと取り込んだ美術館
©︎とやま観光推進機構
富山駅の北側にある「富山県美術館」は、建築家・内藤廣さんによって設計されました。
美術館の前にある富岩運河環水公園や立山連峰などの素晴らしい景色を取り込むように、一面ガラス張りの壁面になっています。さらに、富山県産杉や富山の主要産業であるアルミなどを素材としたスペースがあり、「富山の強み」が存分に引き出されたつくりになっています。
窓からは立山連峰が一望できる ©︎とやま観光推進機構
ちなみに、スタッフの方々のユニフォームは三宅一生さんによってデザインされました。富山の爽やかな風と光がイメージされています。
◎高岡市の職人さんの技術に囲まれる宿
最近、ことちゃんが注目しているのが鋳物のまちとして有名な高岡市金屋町にあるアンティークの民家ホテル「金ノ三寸」です。1棟貸し切りのホテルが2棟あります。
ことちゃん「高岡の職人さんの技術をふんだんに使った施設なんです。」
実は、高岡市には多くの伝統産業が栄えています。中でも高岡銅器や高岡漆器が有名で、県外からの移住者の中にはこれらの技術に魅せられて移住を決めた職人の方々もいらっしゃいます。
奈良の大仏、鎌倉の大仏と並び日本三大大仏に数えられる「高岡大仏」も銅器製造技術を集結して作られました。作り上げるのに30年の歳月を要したそうです。総高15.85m、重量65tの大仏は圧巻です。
そんなまちで、400年続く高岡銅器をより身近に感じれる場を作りたいとの強い思いから作られた宿です。
◎これが会社の社屋!?
「能作」は高岡市で100年以上続く鋳物メーカー。この能作の社屋も素敵な建築なんです。社屋ではレストランやショップ、鋳物づくり体験コーナーなどもあり、いつも賑わっています。
ことちゃん「”工場を魅せる”建築になっていると思います。入り口を入ってすぐのところに、鋳物の型がズラーっと並んでいて圧巻です。実は、あれは飾りではなく現役の型なので、使用するときにはそこから取り外されて使用されているんですよ。だから、時々なくなっている鋳型があるんです。」
かつては仏具や花器を中心に製造していた能作ですが、需要が減少し苦境に立たされていました。そんなとき、真鍮製の鈴が注目を浴び、能作の名は全国へと広がっていきます。その後、他の金属を補強するために使用される「錫(すず)」を、あえて100%使用し「曲がる」器をリリースし大ヒット。県内でも勢いのあるメーカーの一つとなりました。
今回ご紹介した社屋は2017年に完成したばかり。地域の人が集い、子供たちが学び、伝統を次世代に受け継ぐ場所としても注目が集まっています。能作の軌跡は、書籍にもまとめられています。
◎内装にこだわっている飲食店
ことちゃん「飲食店さんを選ぶ時も、内装にこだわりのあるお店を選んじゃうんです。」
ことちゃん行きつけは、「笑色」「吟魚」「吟チロリ」「金泉」「銀泉」「銅泉」。
「笑色」は富山市総曲輪(そうがわ)にある居酒屋。白と木目を基調とした内装です。お刺身をはじめとしたお食事も美味しい!と人気です。
「吟魚」「吟チロリ」は富山駅前にある居酒屋。旬のお刺身がお手頃な価格で味わえます。富山の日本酒も幅広く揃っているので、富山の魚に富山のお酒!を味わうことができますよ。
「金泉」「銀泉」「銅泉」は隣接しているお店。メニューは同じで中はつながっているのですが、それぞれの雰囲気が違って面白いんです。「金泉」は歴史ある居酒屋さんで、富山のお酒好きなら知らない人がいない名店です。
◎富山県の建築士の皆さんとの語らい
「建築好き」が高じて、先日富山県の建築家種昻哲さん(studio SHUWARI代表)と沼俊之さん(dotstudio一級建築士事務所)とトークセッション「富山オタクが富山のケンチクを知りたがる会」を実施することになったことちゃん。
その時の様子が記事になっているので、ぜひご覧ください。富山の建築を深掘りしているので、これからの街歩きの視点がガラッと変わるかもしれません。
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「富山の魅力を知るきっかけを紡ぐ」をモットーに活動している富山オタク・ことちゃんが注目する、富山の建築についてご紹介しました。
建築に興味があるみなさん!富山ならではの建築にぜひ足を運んでみてください。
お試し移住サービス「ためスモ」では、富山ぐらしの体験をサポートしています。お気軽にお問い合わせください。
それではみなさん、富山でお会いしましょう!