【大好きだったのに】さらばブラック企業【閉鎖をするなんて】~前編~
tamayuraです。ご機嫌いかが?
実は私、半年前まで超絶ブラック企業の社員でした。
文句も言わず、会社のためにプライベートを投げ捨て、10年勤め上げた生粋の社畜上がりです。
そんな真っ黒くろすけな会社でしたが、今年の春に営業所が閉鎖。会社都合で退職しました。
閉鎖の理由は、新社長の新規事業失敗ですね。
今回は「最後の出社。会社の引渡し日に起きたこと」をお話します。新社長、絶許。いや、やっぱり許す。
あの会社を辞めさせてくれたんだから
・多分、正統派ブラック
【社畜の働き方・特徴とは】
✔ 丸一日の休みは月に3回以下。半休+半休を一日とカウントする荒技で、労基の目をまぬがれる※具体的手法は伏せさせて。
✔ 一日の拘束時間が最低でも11時間(休憩は30分)
✔ 有給は10年分の9割捨てられた
✔ 発熱してもギックリ腰でも、張ってでも出社するしかない劣悪な職場環境
✔ 何より「会社のために身を粉にすること」を当たり前だと社員に思わせる
上記すべてを、社員自らの意思でやるよう仕向けた私の会社。上手いことやるよねえ。
社員に命令するんじゃなくて、あくまで自発的にってところがポイント。
「こんな状況で休むわけにはいかない」「自分がやらなきゃ作業が終わらない」そんな、間違えた責任感を植え付けられ、いいように使われていました。
【営業所の実態を本社は把握していた】
おどろくべきことに、本社は一切指示していない。でも全て把握している、これが闇深いところ。
退職してしみじみ思うけど、これ結構なブラック企業だよね…。
しかし、当時の私は職場のメンバーに恵まれていたこともあって、仕事が大好きでした。
「足腰立たなくなるまでこの会社にいようね」「定年を迎えた後は、再雇用で働こうね」なんて、みんなで話していたくらいに。
良くも悪くも、アットホームなブラック企業に染まりきっていた。
・上司から告げられた営業所の閉鎖
2023年春
通勤路の桜並木を、信号待ちで眺めるのが毎年のささやかな楽しみだった。
この繰り返される平凡な日々が、永遠に続くのだと、そう錯覚していたのかもしれない。
まだ、ほんのりと薄暗い朝6時。
会社近くのセブンに車を止め、なじみの店員と挨拶を交わし、コーヒーを買って出社する。長い間繰り返されてきたルーティーン。
10分後には会社に到着。デスクにかばんを置いた瞬間、上司が正面のパソコンを見ながらボソッと呟いた。
「来年…この営業所、閉鎖だって」
え?あんだって?驚き過ぎて思わずなまっちゃったよね。
【ブラック企業の特徴?「少数精鋭部隊」】
詳細は書けないけれど、コロナ渦で大打撃を受けた部門の営業所でした。
そりゃね、騙し騙し乗っていた小舟でしたよ。
今にも沈みそうな舟から、若い子は次々に逃げ出し、どんどん人数も減っちゃって。
よく言えば、ベテランだけが残った少数精鋭。でも現実は、誰か一人でも休んだら現場が回らない状態。
最低限を下回る人数で人件費を削り、残業時間を誤魔化して。無理やり黒字にしていただけでした。
それでも、挽回の兆しが見えて(いた気がした)これからもっと忙しくなると思っていたんです。
何の根拠もないんだけどね。なんかずっとそう思っていたんだ。ほんと、呑気にも程があるって話。
給料安くてボーナス寸志。なぜ辞めないのか
泥船の乗組員は平均55歳。何なら、40代の私は若手社員扱い。ボーナスは雀の涙さ(一生寸志レベル)
何故辞めないかって?
さっきも書いたけれど、同僚達に恵まれ、仕事自体は楽しくて大好きな職場だったから。
一致団結してこの苦境を乗り越えよう!みたいな感じで。なんだか色々と麻痺していたかも。
今、自分で書きながら改めて思うんだ。そうか、やっぱりあの会社は泥舟だったかーって。
そっかぁぁ。いや、薄々勘付いていたけど、さ。
認めたくなかったんだよなあ…。
・最後の日、招かれざる客
迎えた営業所最後の日。
私たちのやってきた仕事は、他県の営業所に分散されていった。各営業所の社員が、最後の荷物を一斉にトラックに積み込んでいく。
そして、全ての作業は15時に完了した。
部外者達が全員去り、慌ただしさから一瞬の空白。私は、ガランとした作業場を見渡した。
鈍くくすんだ、水色の古いバケツが転がっている。
雨が降るたびに、穴のあいた屋根から雨もりして、みんなで大騒ぎした日を思い出す。
まだ細かな仕事道具が散乱する現場。だけど主要なものは、もう何もない。私たちの仕事は、もうここではできない。
パートさんの一人が泣き出した。鼻をすする音が、ガランとした現場にやけに響く。
定時まであと40分。
最後は上司の挨拶で締めよう。そして、鍵を業者に渡したら、みんなで一緒にこの会社を出ようね。そう決めていた。
予告なく社長と経営陣の登場
定時まであと20分を切ったころ、見覚えのある派手な外車と、社用車が玄関前に停まった。
まさか?そんな予定は無いはず。所長が慌てて車に駆け寄る。案の定、「新社長がご挨拶したいそうだ」と告げられた。
新社長?営業所をつぶした本人が今更なんの用?一体どの面下げて?
でも、来てしまったなら話を聞くしか無い。
本当に、どの面下げて!?だよ(2回目)
後編へ、続く。
ここまで読んでくれてありがとう。
また来てくれたらうれしいです!
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