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我が家の向かいのパリピ一家
どのくらいパリピかと言うと。
週末の夜。庭でほっっそいグラスを持って、チルな音楽に身を委ねるくらいのパリピ。
洒落た外構から、ゆったりと寛ぐ陽気な仲間たちの声が響くようなパリピ。
広い庭ではしゃぐ子供たちを照らす、流行りのストリングライト。
それを忌々し気に見つめるひとりの社畜、tamayuraさんのお話だよ。
時は遡り、2023年夏のできごとです。
世に逆らい、偏見だらけで生きている
その日はうだるような暑さだった。
朝6時に出社し、ヘトヘトで帰宅した社畜は、自宅の駐車場に車が止められず苛ついていた。
その理由は一目瞭然。自宅駐車場の前に、いかついヴェルファイアが停まっていたから。
「またか…」と、うんざりした社畜は車の窓を開けて顔を出し、パリピ家を見つめた。
もちろん、無言で。(拳で。の言い方ね)
そして、パリピ共が気づいてくれるのをじっと待つ。
ちょっと受け身すぎない?と、思ったあなた。
平穏無事天下安泰を愛する私は、ヴェルファイアに乗るようなゴリゴリのお方(とんでもねぇ偏見)と、上手く会話できる自信が無いのだ。
パリピなのに性格良い一家
私の熱視線とエンジン音(ディーゼルうるさい)に、すぐに気づいたパリピ家のパピー。
「バカ、あそこ停めるなっていっただろ!ちょっと鍵貸して!」と、友人らしき人物を窘める声が聞こえた。
すぐに猛ダッシュでやってきて、「すみません!すぐ移動します!」と、テキパキ動くパピー。
更に庭の奥から「tamayuraさん、ほんとごめんなさい!」と叫ぶ、若くて美人で華奢なマミー。
柵からこちらを覗き、「ねぇ、これ食べる?」と生焼けのトウモロコシを見せる小さなレディ(推定4歳)
めっちゃ良い人たちなの、本当に。
ただ、ご友人方の笑い声が目眩するほどうるさい。
夫も一部始終を見ていたようだ
あれは昨年の12月。
私は37.9度の熱+坐骨神経痛という、なかなかヤバメな状態で、壁伝いに這うように歩いていた。
一歩進んでは激痛が走り「うぎぃっ!」と悲鳴をあげ、ウッカリ咳込めば更なる激痛で「みぎぃっ!」と叫ぶ。あまりの痛みに涙が止まらなかったのだ。
そんな状態でジリジリと歩を進め、駐車場を目指していた。
もちろん、会社に出社するためにね?
「まともに歩けないのに、仕事できるわけないだろ!」と、激怒する家族を振り切っての出社です。
その日は所長不在で、会社のセコムを解除をできるのは私だけという状況。
当時の私は、所長代理という立場にいた。だから、何があっても休むわけにはいかなかったのだ。
カーテンをギュッと握るマミーが見えた
ふと、向かいのパリピ宅に目をやると
「ハラハラ」という吹き出しが、頭上に出ているようなパリピマミーの姿が。
(心配だわ、でも見ちゃいけないのかも)と、葛藤した表情でカーテンをギュッと握り、こちらを見ていたのだ。
私は恥ずかしさのあまり、一刻も早く車に乗りたかった。だがそう簡単にはいかない。なんせ、車のシートに座るのも一苦労なのだから。
オイオイ、それで運転できるの?と思いますよね。
今だから白状するけど、ギリギリ…いや、完全にアウトだった。絶対に運転しちゃダメ。
陰キャで地味顔な庶民の僻みでしかない
それから2週間後の年末間近。
まだ痛みは残るものの、元気になった私が歩いていると、マミーが小走りでやったきた。
「あのっ!余計なお世話かもしれませんが、この間お辛そうにしていたのを見てしまって…。困ったことがあったら、いつでも頼ってくださいね!」と、ふわりと微笑んだのだ。
私は衝撃を受けた。
嘘でしょう?
パリピでセンス良くて美人でお金持ちなのに、その上性格まで良いなんて…
一体どういうことだ。完璧にも程があるじゃないか。
マミーに罪はないけれど、なんか納得いかない。
せめて性格ぐらい悪くあってくれよ!と、思うのだった。
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