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過集中を防ぐために
午後になってようやく、少し目が覚めた金曜日。とろんと重いまぶた、かちこちと固まっている頭を励ましながら、ようやく今月分の書類をチェックし終える。週明けに間に合うように、発送書類の用意も終わった。
うんと背伸びをする。ふと気づくとおやつの時間になっていた。作業を始めたのが朝の8時だから6時間半、トイレも行かずお茶も飲まず。まだ昼ごはんもとっていない。お昼に合わせたアラームをかけ忘れていたらしい。急いで、トイレに立つ。
わたしには過集中の気がある。集中しすぎると、周りが何も見えなくなる。自分で集中から目覚めることが難しい。それは冷凍庫で凍ったトレイを素手でさわって皮膚が張り付くのに似ている。集中を続けると集中が張り付いて、わたしから離れない。
一人でしごとをするときは、バイブレーション機能つきのアラームを100分後になるようしかけておく(夕方以降は60分後にアラームをしかける)。
100分経てば、ぶるぶる振動とアラーム音とでお知らせしてくれる仕組み。アラームを止めなければ、5分ごとに繰り返し鳴るよう、スヌーズ機能付きでセットしておく。そうしておかないと、席を立ちづらくなってしまう。
チームを組んで仕事をする初めての繁忙期には、話しかけても返事がないという苦情が私に出されることも多い。後ろから話しかけられても、まず、気がつかない。肩をたたくなどして身体に触れられると、心臓がばくんと大きくはねて失神することもある。実にめんどうな仕組みを持った身体。
話しかけられたことに気づけないので、物理的に私に呼び掛けてもらえるよう周りにお願いすることとなる。私の見ているモニターと顔との間に、ひらひらと手を出して注意を外へ向け直してもらうか。赤いランプが点滅する懐中電灯で手元を照らしてもらうか。そうしてもらって、ようやく過集中から離れることができる。
ひとりで作業をするときは注意が必要だ。過集中が発動すると、朝、机の前に座ってから、次に気がつくと夜になってしまっている。ごはんも、トイレも、水分補給も。すべて、ころっと忘れて、ただただ作業に集中している。集中している間は、ぱきぱきと思い付きが広がり、仕事もはかどる。いいことだらけのように感じている。けれど、そこまで集中すると、体力がごっそりと奪われ、翌日はほとんど、なにも手につかなくなる。
何がきっかけで過集中にはりつけられるのか、自分にはよくわからないこともある。だから、アラームを仕掛けておくことを覚えておこう。(ひとり作業するときには、特に覚えておくこと)
この集中力のおかげで「繁忙期の最終兵器」と呼ばれてきた。一気に片付けないとならないもの、急ぎの仕事にとても重宝してもらえる過集中。けれど、過集中の後はごっそりと体力が奪われ、2日間くらい使い物にならない。利用を計画的にしなければならない最終兵器。
今日くらいの過集中ならば、多めに12時間くらい眠れば回復できるはず。今夜は、早めに眠っておこう。
頭のこわばりも、身体の硬直も、ストレッチしてほぐして、明日にそなえる。明日は、カウンセリング研修を受けに行く。頭の中がふんわりと戻っているといいのだけれど。