防衛反応に気づいたら、自分でも対処する
とつぜんのことで、あれなのだが。街中に引越してきたからか、鼻のなかがジャングルになった。
金曜の朝には微妙な長さにのびてきて、もしゃもしゃと草っぱらのように乱れてくる。週末にきれいにしたはずなのに……。
鏡をのぞきながら、手に小さなハサミ。鼻のなかにひろがる草っぱらのようすをうかがいつつ、ちょっきんとカット。
遠くから潮騒のように聞こえるのは、車が通る音。
デスクの前の窓からは緑道がみえるおかげか、いつもはそれほど意識しないけれど、空気は汚れている。
パトカーのサイレンの音も、時折まじる。幹線道路をひっきりなしに流れていく車のエンジン音が聞こえている。
汚れた空気を、なんとかしよう。身体は思ったに違いない。
鼻のあなの中を草っぱらにして、自前のフィルターを作ってくれた。さても立派な防衛技術!!
目に見えてわかるほど、素晴らしく張り切っている身体の防衛技術なのだから、目にみえない心の防衛技術が高いこともうなづける。
心の不調も、バイオリズムの低下も。わたしを生かし切るために体や心がはりきってとり行っている防衛反応だ。
防衛反応に身を任せながらも、自分でも危険から離れるなどの対処をこころがけたい。
……とはいえ、しばらく引越しの予定もなく。鼻の中にできあがったジャングルは、気をもみつつ鏡を見るしかなさそうだ。