ワクワクリベンジ読書のすすめ~『アンガーマネジメント実践講座』安藤俊介著~
前回の感想文で、中野信子さんの『脳の闇』にある「正しさハラスメント」について記載した。
最近になって思うのは、昨年秋に学んだアンガーマネンジメントに、「正しさハラスメント」の認識の歪みを見出すヒントがあるのではないかということである。
今回掲げた著書は、個人的に受講した日本アンガーマネジメント協会主催の「アンガーマネジメントコンサルタント養成講座」の参考図書である。アンガーマネジメントについての基本的な考えが書かれている。
そもそもアンガーマネジメントとは、「怒りの感情と上手に付き合い、振り回されないようコントロールする技術」のことである。
怒らない人になることは目的ではない。「怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らないで済むようになる」。言い換えれば、そういうコンセプトである。
重要なキーワードは、怒る時の基準としての「ビッグクエスチョン」である。
「ビッグクエスチョン」とは「自分にとっても周りの人にとっても、長期的に見て健康的な選択」かどうかということ。
その視点から改めて「正しさハラスメント」を考えてみる。
誤解を恐れずに言えば、「自分や周りの人にとって長期的に見て健康的でない(≒メリットをもたらさない?)と考えた時には、あえて関わるべきではない」ということである。
それなら「マナー違反・道徳違反は放置しておいてよいのか」。
様々な分野から見たら、意見の分かれるところだろう。
アンガーマネジメントの立場から考えた時には、怒る必要があるかどうかが重要になる。噛み砕いていえば、「(怒る相手に対して)自分が相手を変えられる」と「その内容は重要か」という視点で考え、「自分では変えられない」もので「重要ではないもの」に対しては放置するべきということ。
「ビッグクエスチョン」の視点から、怒る意味があることなのかを冷静に分析し、怒りについての線引きをすることは、アンガーマネジメントのひとつの側面でもある。
「正しさハラスメント」を行う前に、もう少し客観的に自分の怒りを見つめることも必要ではないだろうか。