落ちこぼれシニアのリベンジ読書~『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』藤田孝典著~
<<感想>>
「下流老人」とは・・・・・・。
著書の定義では「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」とのこと。言い換えれば「国が定める『健康で文化的な最低限度の生活』を送ることが困難な高齢者」のことをいう。
著者は多くの生活相談を受けているが、その中で次の3つの「ない」が下流老人の具体的な指標として見えてくるという。
ここでは詳細は記載しないが、①収入が著しく少「ない」 ②十分な貯蓄が「ない」 ③頼れる人がい「ない」(社会的孤立)が顕著な傾向という。
下流老人は特別な人がなるわけではない。サブタイトル(一億総老後崩壊の衝撃)にもあるように、誰もがなりうるものであることを肝に銘じておく必要がある。
特に、「普通」から「下流」へ陥るパターンを正しく理解しておくべきであろう。
注意すべきは「病気や事故の発生(高額な医療費の支払い)」「熟年離婚(妻側の経済的リスク、夫側の生活・健康リスク)」「現実的な問題としての認知症(健康や詐欺被害など)」。
他にもいろいろなケースがこれから発生するだろう。大小かからわず、身の回りに何らかの変化が起こった時には「下流」につながる可能性があることを十分理解しておくことが重要である。
最後に著書にある「自分でできる自己防衛策」について下記に記載する。
ここは真摯に学ぶべきと考える。詳細は個別に確認してほしい。
(対策編)
① 知識→生活保護を正しく知っておく ②意識→そもそも社会保障制度とは何か。よく考える、何よりもプライドを捨てよ ③医療→今のうちから病気や介護に備える
(予防編)
① お金→いくら溜めるべきかを考える ②心→地域社会へ積極的に参加する ③居場所→地域のNPO活動などにもコミットしておく ④いざというときの問題→「受援力」(支援される側が支援する側の力をうまく生かし、生活の再建に役立てる能力)を身につけておく
大切なのは「知識・情報」「意識」「人間関係(ネットワーク)」ということになるだろう。問題を未然に防止する一方で、問題が発生した時には、速やかに支援をうけられるような体制・環境と心構えを、支援する側・される側ともに整備しておくことが必要であると考える。