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結婚記念日に墓を買うことに決めた話
先日11回目の結婚記念日を迎えたので、お休みを取って夫と久々にランチに行きました。
ラブラブな頃を思い出そうと、結婚当初のことを話すうちに判明したのですが、
結婚式で宿泊したホテルがなくなっていました。
結婚パーティーをしたレストランもなくなっていました。
数年前まで住んでいた家は取り壊され、新しいアパートができていました。
「みんな、なくなっちゃったね・・・」
過去をしみじみ振り返るはずが、お通夜のような雰囲気になりました。
そのテンションで「まあ、最後はみんな無になるわけだし」なんて話していた時、ふと気づきました。
「そういえば、私たちが入るお墓、ないんだった」
実は私の両親も夫の両親も、先祖代々のお墓ではなく合同墓に入ることにしていて、契約も済ませています。
そしてちょっと何を言っているかわからないかもしれませんが、私の両親と夫の両親は、同じお寺の同じ合同墓を購入しています。
つまり、将来的には1つのお墓に手を合わせれば、両親と義両親へのお参りが一度にできてしまうのです。
タイパよすぎ。
夫は九州の出身ですが、昨年義両親は九州の家を引き払い、私たちの家の近くに越してきました。
私たち夫婦としては、義両親が近くにいたほうが何かあったときに手助けできて安心ですが、長年慣れ親しんだ土地を後にし、しかも「リタイア後に初めての場所に引っ越す」ということは大変なことです。
緑豊かな地域の大きな一戸建てから、コンクリートジャングルの小規模なマンションへ。引っ越しに伴い、大幅な断捨離を敢行したとも聞きました。
そしてどこに行くにも車を使う生活だったのに、電車やバスで生活できるからと車を売り、電動自転車を購入。
その思い切りの良さには、驚愕と尊敬しかありません。
この決断に至るには様々な葛藤があったはずですし、きっと今だって、複雑でやりきれない思いも抱えているはず。
それでも、こうして「自分たちの生き方を自分たちで決断する姿」はなんてかっこいいんだろうと、ほれぼれしてしまいます。
ちなみに私の両親も終活を着々と進めており、ある時「ここに全部入っているから」と、重要情報がまとまった分厚いファイルを見せられました。
先日は母から「今度長期間の旅行に行くの。でね、これを見せておきたくて」と言われ、何かと思ったら
「この間歯医者さんで歯形をとったとき、お医者様が歯形をくれたの。だからもし旅行先で私に何かあったら、この歯形でお母さんかどうか判断して」
と笑顔で言われました。
歯形まで用意されたら、終活テスト100点満点と言わざるを得ません。
そして、終活における大きな悩みの一つと言われるのが「お墓問題」です。
先祖代々のお墓は管理が大変でお金もかかる、という悩みをよく聞きます。
私の旧姓を名乗るのは両親が最後のため、今後墓守がいなくなってしまいます。そこで両親は墓じまいの検討と並行し、合同墓を購入したようです。
そんなことを義両親との雑談中にぽろっと言ったところ、義両親は「詳しくきかせて」と興味津々。
ほどなくして、義両親も両親と同じ合同墓を購入したのです。
私の両親と夫の両親が、同じお墓に入るというミラクル。最高 of 最高。
その時、義母がスッキリした顔で発した言葉を、私は鮮明に覚えています。
「あー、もう何の心配もなくなった!」
「緊急ではなく先延ばしにしがちだが、いつも頭の片隅にある心配ごと」に決着をつけると、人はこんなに清々しい顔になるんだと知りました。
話が逸れましたが、そういうわけで、「私と夫が入るお墓がない」という最初の話に戻ります。
先祖代々のお墓があれば、自分がいずれ入るお墓は自動的に決まります。お墓の管理の心配事はあっても「入るお墓がない」という心配はありません。
しかし合同墓は「個人」ごとに入るものですから、私たちが自動的に入れるお墓はないのです。
しかも最近は合同墓の人気が高まっているらしく、もし私たちが墓購入を検討する際、双方の両親が入る予定のお墓に入れなかったら。
両親と義両親が同じ場所なのに、私たちだけ違うというのは、将来的に我が子のタイパに大きな影を落とすことになります。
「お墓・・・買っちゃう・・・?」
結婚記念日のランチが、一気に議論を詰める場所に変わりました。
夫「離婚したらどうする?」
私「合同墓は個人名で購入するから問題ない」
私「お墓を買うお金の余裕が・・・」
夫「お金がないのは今も老後も同じだ」
夫「クラウド墓が主流になれば安くなるはずだからもったいない」
私「明日死んだらどうする。まだ気軽に買えるクラウド墓はない」
クラウド墓については、なぜか夫が10年ほど前から「近い将来、墓もクラウド化されるはず。クラウド墓ビジネスやろうかな」と得意の妄想の羽を存分に広げている領域です。
と思って今調べたら、ペット向けには実現されていてびっくり。
夫と話せば話すほど、「今買わずにいつ買うんだ!」という気になってしまい、そのまま合同墓の取り扱い団体に申し込みの電話をしました。
すると、
「大変恐れ入りますが混んでおりまして、最短でお申込みいただける日程は "来年の2月14日"です」
と言われました。
8か月待ち・・・入手困難な高級お取り寄せスイーツ並みの人気のようです。墓なのに。申し込みましたよ、墓。
ということで、わたしたちは来年のバレンタインデーにお墓を購入することになりました。
今日からお墓貯金を始めます。
まだ買えたわけではないので完全にスッキリというわけではありませんが、義母のスッキリ感の30%くらいは感じられたように思います。
不安は不安のままにしておくとずっと不安ですが、面と向かえば、意外と解決できる不安もあります。
そして先の不安がなくなると、思いっきり今に集中できます。
コシノジュンコ先生によると「過去はゴミ」ですし、未来の不安も墓を買えれば即解決!
今に集中したい方、墓の購入、おすすめですよ。
なお、今回のnoteを書くにあたり、プライベートなことでもあるので双方の両親に文章の事前チェックをお願いしました。
大丈夫だよ~という返信が来る中、母からは
「義両親が近くにいると”手助けできて安心"とあるが、”手助けしてもらえて安心”の間違いではないか」
という指摘がありました。
ぐうの音も、出ない。
「河川敷ではたらくナミキ」のnoteをお読みいただいている皆様へ
いつも私のnoteを読んでくださりありがとうございます。
先ほどnote上段にて「義両親を手助けできて安心」と記載してしまいましたが、正しくは「義両親に手助けしてもらえて安心」の誤りでした。
訂正してお詫び申し上げます。
この度は、誠に申し訳ございませんでした。
【おまけ】
もしお墓について悩んでいる方がいらしたら、これらのポッドキャストを聴いてみるのもおすすめですよ!
■ジェーン・スーと堀井美香のOVER THE SUN(Ep.104)
お墓の話は38:55あたりからです。
父と母が別の宗教を信じているからお墓が別々だとか、樹木葬や散骨を実際に行った方のリアルなお便りがもりだくさんです。
■ゲイと女の5点ラジオ(Ep.103)
お墓の話は16:17あたりからです。
前方後円墳を買った方からのお便りや、墓石をスワロフスキーでデコってインスタ映えスポットにしたいという話。
私は墓石をデコるなら、おもいっきりテプラを貼りたいです。