経理畑で育った私が家計管理に挫折し続けている話。
夫と私は新卒で入った会社の同期同士で、お互い経理畑の出身です。
なのに、私たちは家計管理ができません。
今日は、その悩みをただただ吐露しようと思います。
夫と私が育った「経理畑」について
夫は、最初の会社で原価を計算する部署→売上を計算する部署→固定資産を管理する部署と渡り歩き、転職先では事業計画を立てて実績分析をする部署で働いていました。
一方私は、最初の会社で事業計画を立てて実績分析をする部署で働き、フリーランスになってからは中小ベンチャー等の小さな会社で経理業務全般を請け負っていました。
夫も私も、簿記の資格を持っています。
たまたま二人とも同じ日に簿記試験を受け、帰りにご飯を一緒に食べたのが付き合うことになったきっかけです。
ちなみにその試験、
夫は1発合格しました。
私はそれが2回目の受検で、また落ちました。
「さすがに経理部門にいながら簿記資格を取得していないのは気まずい」と思い渋々3回目の受検をすることにしましたが、根本的に興味がない内容のため、全く勉強が捗りません。
夫とみなとみらいデートを楽しみながら「そういえばそろそろ簿記試験なんだけど、全然勉強していないんだよね〜」と言ったところ、「こんなことしてる場合じゃないだろう」とその場でデートが強制終了となり、そのままマックに連行されました。
そして、みなとみらいのマクドナルドで泣きながら原価計算の問題を解かされました(おかげで3回目にしてやっと合格しました)。
英文会計の資格も持っています。
これまた夫は上級・下級資格ともに1発合格、私は下級資格だけ受けました。
上級資格を受けると、またデートが試験勉強に変わってしまうからです。
その後、当時の上司から米国公認会計士の資格取得をすすめられ、会社で受講費用を出してくれるとのことだったので資格試験予備校に入りました。
アメリカの公認会計士資格は「州ごと」に取得する仕組みになっていて、私は一番取得しやすいと言われている「アラスカ州の公認会計士」を目指すことにしました。
「アラスカ州で公認会計士として働く未来」は全く見えませんでした。
軽い気持ちで予備校に通い始めたものの、さすがは公認会計士試験。
簿記とは比べ物にならないくらいの量の教科書(しかも全て英語)に呆然としながら土日に勉強しましたが、私は受かるより前に全てが嫌になり、会社を辞めることになりました。
会社在籍中に受からなかったので、予備校費用を会社に自主返金しました。
退職金をまるまる予備校費用の返金にあてることになりました。
なお、退職してから数年後に聞いてびっくりしたのですが、同時期にTACへ通っていた同僚で結局米国公認会計士に受かった人はおらず、かつ誰も返金しなかったそうです。
私・・・なんで見栄張って返しちゃったんだろう・・・
経理畑夫婦の家計管理について
前置きが長くなりましたが、こんな感じで夫も私も、かなり数字にどっぷり浸かった会社員生活を送ってきました。
夫は明らかに数字が得意であり、私は試験に落ち続けた時点で経理に向いていませんが、「TOEICの点数と実際に話せる度には関係がない」と言われるのと同じく、実務上はなんとか経理作業を回せる程度になりました。
それゆえ私たち夫婦は、
経理実務がある程度はできます。
貸借対照表や損益計算書もある程度は読めます。
予実績差異分析もある程度はできます。
でも、家計管理はできません。
それどころか夫の座右の銘は、「宵越しの金は持たない」です。
なぜ!!!
起業したての頃、ものすごい勢いで貯金が減り家計が破綻しかけたので「今、ここまで貯金が減っているの。早急に家計を見直そう」と伝えた時も、「へー、うちって貯金あったんだ!マイナスじゃないから大丈夫だね」とむしろ安心されたくらいのバグり方です。
以前夫が勤めていた会社では、都心でスーツをビシッと着て専門用語をバリバリに使いながら「下半期の計画では固定資産比率が高すぎる。これでは経営効率がうんたらかんたら」とか言っていたはずなのに。
なぜ、それを家庭で再現できないのか。
色々とリスクがありすぎて、夫に家計を任せることはできません。
私たち夫婦のケンカの理由は半分が仕事のことで、半分がお金のこと。
仕事のケンカは仕方ないにしても、お金のケンカは双方が心身を削られます。
お金の問題が解決することで我が家のケンカが半減するなら、なんとか頑張らなねば・・・と、いつも思い腰を上げて家計管理に取り組むのです。
私が挑戦した家計簿は数知れず。
全て、失敗しています。以下はその屍の記録です。
【家計管理失敗その1】家計簿ノート
「よしやるぞ!」と思い立ったが吉日、東急ハンズやロフトを探し回り、可愛い家計簿ノートを購入しました。
最初は丁寧に書き込むのですが、決められた枠に書ききれない月があったり、逆に枠がスカスカで余ってしまったり、見た目がイマイチになると一瞬でやる気スイッチがオフになります。
いつの間にか、家計簿ノートはどこかへ消えてしまいました。
【家計管理失敗その2】エクセル
仕事でエクセルを使うようになってからは「エクセルを使いこなすビジネスパーソンの私」の自意識が降りてきて、家計簿をエクセルで管理していた時期があります。
必要ないのに、むやみやたらと複雑な関数を入れ込んだ時期もありました。
そのうち「一日中誰とも喋らずエクセルとにらめっこする部署」に配属され、「帰宅してまでエクセルなんて見たくない」と挫折しました。
【家計管理失敗その3】企業向け会計ソフト
「私は経理担当なんだから、仕事と同じものを使えば家計管理できるはず!」と、当時仕事で使っていたものと同じ会計ソフトを導入したこともあります。
これは、家計用アカウントにログインしなくなりフェードアウトしました。
【家計管理失敗その4】家計簿アプリ
「パソコンをわざわざ開くのが面倒だから続かないんだ、それならアプリにすればいいのでは」と気づき、言わずと知れた家計簿アプリのマネーフォワードMEに挑戦したこともあります。
マネーフォワードMEは、銀行口座情報やクレジットカード情報を連携させることでお金の動きを可視化させるというのがウリで、私も気合を入れて連携させました。
無料プランで連携できる口座情報の上限数を突破してしまったため、課金までしていました。
長時間かけて連携を完了させると、なんだか大仕事が終わった気がして、それからアプリを開くことはなくなりました。
【家計管理失敗その5】袋分け家計簿
「やっぱり、アプリより原始的な方法が一番」と、現金を封筒にいれて予算ごとに管理する「袋分け家計簿」をやったこともあります。
1ヶ月もしないうちに「消耗品費が足りないから、食費の封筒からちょっと拝借します」をやり、たちまち仕組みが崩壊しました。
【家計管理失敗その6】家計管理のプロの書籍を読む
「自己流でやるのが良くないのかも・・・プロの知見を頼ろう!」と、知人に紹介してもらった家計管理の本を参考にしたこともあります。
その名も、「正しい家計管理」。
言わずもがな、今となってはどこがどう正しい家計管理の方法だったのか、全く思い出すことができません。
正しいことと、できるかどうかは別問題です。
私はなぜ家計管理ができないのだろう
こうしてみると、実に色々な家計管理方法に挑戦し、ことごとく失敗している自分に驚きます。
夫婦揃って不安定な会社で働いている(不安定なのは、すべて自分たちの経営能力の問題なのが辛い)こともあり、今後もし子どもがギフテットであることが発覚して飛び級でハーバード大学に行くことになったらどうしよう、と不安で仕方がありません。
不安なのに家計管理が続かない、その理由はなんなのか。
自分でも薄々気づいています。
経理の仕事は、仕事ですからやればその分お金がもらえます。
家計簿をつけても、一円ももらえないからやる気が出ないんです。
この発想がかなりまずいということは、百も承知しています。
家計簿をつけてコストを削減できれば、結果的に余剰資金が生まれるということももちろんわかっています。
でも、夫婦で会社員を辞めてからずっと不安定な生活なので、「安定的に不安定である」という現状に慣れている感があるのです。
私はいつの間にか「貯金はなくても借金さえしなきゃまあいっか」という感覚に陥っており、夫の「宵越しの金は持たない精神」に染まっているのかもしれません。
背水の陣からの新たな挑戦
そんな私にも、唯一家計管理について誇れることがあります。
「月に1回、1時間だけ」ですが、お金に向き合う時間を作っています。
知人のSさんと月に1回1時間、zoomで繋いで家計管理作業をしています。
Sさんとは「こんばんは〜」と数分雑談をしてから互いにミュートにし、1時間作業をします。1時間経過すると「お疲れ様でした〜」と言って終了。
もう数年続けていますが、Sさんとリアルで会ったことは一度もありません。
でもSさんとの時間のおかげで、かろうじて我が家は「カードの引き落とし日に口座に残高がない」ということだけは避けることができています。
zoomで繋いでいる1時間を使い、「27日に○○カードから○万円引き落とし」「30日にXX口座からX万円振込」といった最低限のことを、必死で確認しては資金移動していたためです。
彼女との時間がなければとっくに家計は崩壊していたはずで、Sさんには感謝しかありません。
先日、いつものようにzoomを立ち上げSさんとの時間が始まると、「ナミキさん、"づんの家計簿"って知ってます?」と聞かれました。
インスタグラムでオリジナル家計簿術を提唱されているインフルエンサーの方で、書籍を何冊も出されているのだとか。
Sさんは、「ナミキさんと毎月時間を取ることで家計簿の習慣がついたから、そのステップアップとして"づんの家計簿"に挑戦しようと思うんです」と言うのです。
私がこの「月に1回1時間」を「引落し日までになんとか各口座から現金を集める時間」としている間に、Sさんは着実にレベルアップしていたのです。
Sさんを尊敬すると共に、私は大きな自己嫌悪に陥りました。
Sさんと同じ時間を過ごしていながら・・・
なぜオレはこんなムダな時間を・・・
もう腹を括るしかないと思い、私もSさんと一緒に"づんの家計簿"に挑戦することにしました。
とはなっておらず、まだはじめて2週間なので全くどうなるかわかりません。
数ヶ月後、また絶望していたら慰めてください。
みなさんの「続けられる家計管理情報」も切にお待ちしています。