夜中にGoogleからの謎の請求を発見してしまい、大騒ぎした話。
みんなが寝静まった先日の夜。
私は会社の会計ソフトを開き、仕訳処理をしていました。
弊社は小さな会社ですから、あるときはタマリバーでコンロのガス交換をし、あるときはインスタを更新し、そしてあるときは、仕訳処理をするのです。
これは別に、昼夜問わず忙しいスタートアップ経営者自慢ではありません。
この日は花粉がひどく、「花粉が飛んでいる昼間は100%のパフォーマンスが出ないからな〜」と決め込み、ガッツリ昼寝をしたのです。
だから、夜は目がギンギン。
毎年春は花粉のおかげで、生活リズムが崩壊しかけています。
きっと365日パフォーマンスを100%出せる敏腕経営者は、早朝から皇居まわりをジョギングして日経電子版を読みつつアサイーボウルを食べるのでしょうが、我が社はタマリバーの閉場時間が22:00ということもあり、夜型人間ばかりです。
もう一つ、夜に仕訳処理をしたくなる理由があります。
夜は、静かなんです。
昼間は電話やメールが飛び交うといった理由だけでなく、作業に集中している時に限って、横から「そういえばあのYoutubeめっちゃ面白いんだけど」とか、「1000億円あったら何に使うか(2024年、日本人の99.9%がこの話をしたはず)」とか仕事に関係のない雑談が始まり、しかもそれが永遠に終わらないのです。
この間も領収書の整理をしていたら、弊社代表でもある夫から「TikTokによくいるうさんくさい社長の真似やるからちょっと見て!」と声をかけられ、キメ顔で「ビジネスの本質はね・・・」と話しはじめ、全く仕事になりませんでした。
だからこそ、うさんくさい社長からビジネスの本質について説教されない夜は作業に最適。
そんなことを思いながら、一つひとつ仕訳を進めていきました。
すると、会社引き落としのクレジットカード明細に「Google Ad」という見慣れない項目が。
Google Advertisement、つまりGoogle広告のことのようです。
私が覚えている限り、会社で最後にGoogle広告を出したのは1年以上前。
知らないうちに、メンバーの誰かがGoogle広告を出していたのかしらと思い、確認します。
するとこれまた夜型のメンバー、よっしーからフツーに返信が来ます。
そして、その返信に目を疑いました。
ふ、不正請求ですと!????
慌てふためていると、
ピコン。
よっしーからLINEが。そして即電話。
「社内ミーティングは午後にしかやらない」くらい朝に弱い弊社ですが、夜になるとやりとりが急に活発になります。
よっしー「色々調べたんですが、不正請求の可能性があるかもしれません」
私「不正請求!?誰が!なんで!怖い!」
よっしー「分かりませんが、これはもっちーに確認しましょう」
私「了解です!」
タマリバーを日々運営しているのは夫、よっしー、私ナミキの3人ですが、実は弊社にはシステム周りを一手に担ってくれる、エンジニアの「もっちー」という最強メンバーがいるのです。
しかもアメリカ在住。「アメリカ在住のエンジニア」と言うパワーワード。
早速彼に連絡します。
何が起きているか自分でもよくわかっていないので、もっちーにテキストで事情を説明するも、要領を得ません。
最後の一文なんて、「Google広告のマイページ」と自分で書いておきながら、本当に「マイページ」という言葉があっているか分からず、語尾に「?」をつけてしまうレベルです。
私はこういうIT系にめっぽう疎く、苦手意識も人一倍。おそらく、私にだけ平成のIT革命が訪れないまま令和になったのだと思います。
そんな意味不明のメッセージを送っても、もっちーにとっては慣れっこなのか、即座に一言、「承知しました。」
頼りになりすぎる。
また、もっちーはアメリカ在住で時差があるので、日本時間の昼間に打ち合わせをすることになりました。
調査はもっちーにお願いできると一息ついたものの、気づけば夜中の2時。
この時間は、悪いことを考えるのに最適な時間です。
絶対にポエムを書いてはいけない時間でもあります。
私の脳内メーカーは「不正請求」の文字で埋め尽くされました。
そういえば、知り合いがNetflixアカウントを乗っ取られたって言ってたな・・・
別の子は、クレジットカードの不正使用があったって言ってたな・・・
そんな話を思いだして震える私。
どうしよう、いまこの間にも、私たちのサーバー?の何か?がハッカー?にやられてすごい金額が盗まれている?かもしれない・・・。
そんなことを考え寝不足のまま朝になり、夫にも調べてもらいました。
すると、なんと「1年以上前に終了したはずのGoogle広告が、今年の2月からなんらかの理由で再開されていたらしい」ことがわかりました。
一体誰が・・・なんのために・・・?
その時、夫が「このアカウントの管理者権限を持ってるのって、ナミキだけだよね。」と言いました。
そして畳み掛けるように、
「ってことは、ナミキが間違って操作して、広告を再開させちゃったんじゃないの?」
と言い出しました。
わ、私を疑っているというの!?
一気に私の怒りのボルテージはMAXに。
私は、Google広告のマイページ?への入り方すらわからないのに!
身の潔白を証明するため、自分がどれだけIT革命から取り残されたかや、広告の管理ページに行くことすらできない情報弱者であるかを熱弁。
「自分がどれだけできない人間か」を主張するのは多少悲しい気持ちになりますが、これは明らかな冤罪ですから、負けられません。
私が使いこなせる電子機器の最先端は、テプラなんです。
そんな一悶着があったあと、もっちーとの打ち合わせの時間になりました。
もっちーが「原因がわかりましたよ」と言うので、やっぱり不正請求ですかねと言いかけたら、
え???
去年、夫とよっしーと私の3人で初めて挑戦したGoogle広告。
全く覚えていませんが、どうやら私たちは「開始日」は入力したけれど、「終了日」は入力していなかったらしいのです。
そして終了日が入力されていない以上、広告の出稿自体が停止されておらず、なんらかの条件が満たされたタイミングで再開されてしまったのです。
昨夜、脳内では自分がホワイトハッカーになってGoogleを訴えるくらいまで妄想が進んでいたのに。(正直ホワイトハッカーの意味も、訴える対象がGoogleであっているのかもよくわかりません)
Googleを訴えるなら英語で言わなきゃと思って、「不正請求」の英訳まで調べていたのに。(unauthorized billingと言うらしいです)
ショックでしたね、自分に。
疑うべき対象は、ハッカーでもGoogleでもなく、自分でした。
そういえば、私は家のクレジットカード明細を見るたびに「こんなにAmazonの履歴があるのはおかしい!架空請求かもしれない!」と思います。
そして、それを1つ1つみていくと本当に不思議なんですが、確かにすべて、自分が購入したものなのです。
皆さんもご自身のクレジットカードの明細や通帳を見て、もし見覚えのない引き落としがあったら。
まず、自分を疑いましょう。