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「例え」の精度
先日、近所の図書館に子どもたちの本を返しに行ったときのことです。
娘が、「私、先に行って返してくるね」といってくれました。
「図書館の入り口のところに、返却ボックスがあるから、そこに入れてきていいよ」と私が伝えると、「どこだっけ?」と娘がいうので、「ほら、四角い大きなゴミ箱みたいなボックスが置いてあるんだけど、覚えてない?」と聞きました。
娘は、「あっ、うん!わかった!」と答えると、「ねえ、ママ『ゴミ箱』って失礼だよ!」と、いったのです。
私はハッとして、「本当だね!『ゴミ箱』なんていったこと取り消すね。ごめんね」というと、「いいよ!」と笑いながら娘は走って行きました。
図書館で借りられるすべての本にも、そこで働く方に対しても、そして、借りた本を返却しようとする娘にも、「ゴミ箱」という例えは相当に失礼でした。
実は、「ゴミ箱」という言葉を口に出すとき、「よくない例えだな」とは、気づいていたので、胸に引っかかるものを感じながらも、手早く伝えたいという衝動を優先させてしまいました。
いや、それだけではなく、他に適当な表現を見つけられなかった、私の実力不足ですね。
娘からの指摘の内容は、わかっていながらも口にしてしまった自分への悔しさと同時に、彼女の言葉を聞き分けている感覚に嬉しさもありました。
さて、例えの精度を上げるには、「例えるモノ(人)を捉える正確な観察力」と「相手の知識や状況に合わせて言葉を選ぶ判断力」が必要です。
今考えてみると、「○○(息子)と同じくらいの高さの四角いボックスで、シルバーのフタがついていて、そこから本を中に落とせるようになっているじゃない」など、長いですが、そのような例えでもわかってくれたはず。
実際に返却ボックスは、「大きなゴミ箱」という例えが、見た目には最もどんぴしゃりではあります・・・
ただ、せめて、その例えを口にするのであれば、「言い方は失礼なんだけど・・・」と、最初に加えていただけでも聞こえ方はだいぶ違います。
例えの精度を上げるということは、表現力を磨くということにもなるので、娘からの目を張り合いに変えて、より気をつけていきたいと思ったのでした。