【読書感想文】『マナーはいらない 小説の書き方講座』三浦しをん著
【あらすじ】
作家三浦しをんが自著を例に、小説の書き方を指南する。全二十四皿の「コース仕立て」で地の文の視点や人称などの細かなルールから、着想(構想)の仕方や構成の作り方、そもそも文章力、想像力とは、といった小説を読み書きする上での礎となるものの考え方まで幅広く解説する。と書くと難しそうだが、ちゃんと笑いと自虐を忘れない三浦しをん節も忘れてはいない。小説家を目指していなくとも、小説の成り立ちが分かるので、文学研究の初心者にも研究のとっかかりを掴むために最適な本と言える。もちろん、作品がどうす作られたのかがわかるため、ファン必見の一冊だ。
そんなことまで教えてくれるの?と小説を書くときの手順やルールが事細かに解説されている。文学部卒としては、特に好きな作家の創作過程を知ることができるのは嬉しい。『風が強く吹いている』や『あの家に暮らす4人の女たち』を説明の具体例としているため、作品の誕生秘話も知ることができ、再読せねばと息を巻く。
想像力や言語能力については、実に真面目に熱く語っており、やはり思考の深い作家なのだなぁと改めて尊敬が深まった。
ところで。初めてKindleでまともに読んだ電子書籍である。手元に置いておきたい本は購入するのだが、本だともう置き場がないのでKindleにしてみた。ところが、なんと読みづらいこと。ページをめくることができないので、戻り読みもできないし、いいなと思った箇所をメモするもページがないので記録があやふやになる。(Kindle自体にはマーカーを引けるのだが。)そうだ!マーカーと言えば、読んでいると謎の点線が引いてあり、なにかと思えば「多くの人がマーカーを引いた箇所」だという。全く余計なお世話だ。やはり紙の方が、安心感があるのだな。
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