タマノイコモモ

三浦半島で空ばかり見て主婦をしています。

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最近の記事

【読書感想文】『ももこの世界あっちこっちめぐり』さくらももこ著

【あらすじ】  1996年5月から10月までの間に、雑誌『non-no』の企画として行った旅行記。スペインい・イタリアではご主人が腹痛と戦う様子が、バリ島ではももこさんがナシゴレンにはまりつつもしっかり南国リゾートを楽しむ様子が描かれている。アメリカ西海岸では父ヒロシを連れ、ヒロシ待望のグランドキャニオンを見に行き、パリ・オランダではパリでももこさんが集めるピエール・ラニエの腕時計を探し、オランダで安楽死について考える。最後のハワイはいわゆる「典型的なハワイ」を体験し、少し物

    • [読書感想文] 『これは経費で落ちません!8』青木祐子著

          【あらすじ】  2社を吸収合併した天天コーポレーションだが、常時繁忙な経理部の増員はなかった。お陰で森若さんは、恋人太陽と会えない寂しさもなんとかやり過ごせているようである。ところが、太陽が担当するキャンペーンで、太陽は元カノと会い、森若さんはやきもきすることになる。  また、今回の「やらかしガール」は総務部の玉森志保である。人に頭を下げることができず攻撃的な紫穂のミスに、経理部は感情を交えず淡々と処理をしていく。  前作に合併という大きなイベントがあったので、今作

      • [読書感想文]『これは経費で落ちません7』青木祐子著

        【あらすじ】  主人公の森若沙名子は勤め先の天天コーポレーションが2つの会社を吸収合併するあおりを受け、主任に昇進する。今回はその合併における調整を主軸として話が展開し、森若さんはいつも考える職責は職務範囲、つまり働き方を改めて考える。また、周囲の結婚を受け、森若さんの心も揺れる。恋人、太陽との関係にも変化がうまれる。  この小説に素晴らしいところは、登場人物が多いのにも関わらず、前作から間があいても読んでいるうちにすぐにどんな人物だったかを思い出すことができるところだ。キ

        • [読書感想文]『つむじ風食堂の夜』吉田篤弘著

           【あらすじ】  月舟町の十字路の角には「名無しの食堂」がある十字路にはいつもつむじ風が吹いていることから、その店を「つむじ風食堂」と客は呼ぶ。物語は主人公の「雨降り先生」の小さな暮らしと回想を中心に進んでいく。月舟町にある数件の店主たちとつむじ風食堂に集う先生の住む月舟アパートの住人や隣町の帽子屋との交流の中で、いつかどこか遠くへ行きたいと思っている先生は亡き夫やこの世の果てに思いを馳せる。  「月舟町」の様子やそこに住む人々は、実にリアルで想像ができるのに、物語全体とし

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        • 愛しきもの
          2本
        • 読書感想文
          2本

        記事

          【読書感想文】『天駆せよ法勝寺』八島游舷著

           【あらすじ】  法勝寺は巨大な九重塔をもつ飛塔である。仏教発祥の星、閻浮提を代表する寺として三十九光年離れた持双星の大仏の御開帳に向かうため七名の僧を乗せ四十九日の旅に出た。幾度となく偽佛に襲われるも僧たちは、それぞれ、自らの寺より受けた秘密の指令を抱えながら持双星を目指す。無事に持双星に着き、御開帳の時、現れた蓮華王万手大観音はおぞましき方法にて衆生を救済しようとする。僧たちは、真の救いにあらずと立ち向かう。  第9回創元SF短編賞受賞。仏教とSFの新たな出会いを描いたス

          【読書感想文】『天駆せよ法勝寺』八島游舷著

          隠れたアピール

              髪の長い女性が苦手だ。髪の長い男性は身近にいないのでわからない。  かかりつけの皮膚科には、すっごく「キレる」という感じに仕事のできるっぽい事務員さんがいる。事務員って言っても、お会計とかのカウンターの向こうにいるのではなく、診察室で事前に問診をしてくだる人だ。どうして「仕事ができるっぽい」かというと、その問診が実に的確で、事前にカルテの台本みたいなのを書いてくれているお陰で、先生はすぐに患部を見て、生活上のアドバイス等を丁寧にしてくれる余裕が生まれるわけで、「っぽ

          隠れたアピール

          『乙女なげやり』三浦しをん著

           【あらすじ】  2004年初版の爆笑エッセイ。三浦しをんのエッセイで笑わなかったことがないので、ついついあらすじが単一的になりがちなため、エッセイ内に描かれたライフ・イベントを示すことにする。虫歯の治療、マリリン・マンソンのライブ、哀川翔の自伝を精読、汗腺炎になる、車に轢かれる、『ロード・オブ・ザ・リング』を観てヴィゴ・モーテンセンにはまる、弟の恋人(?)ジロウ君に遭遇する、『白い巨塔』にはまる、母親の入院、実家から引っ越す。というイベントの合間に、溢れる漫画や小説への愛が

          『乙女なげやり』三浦しをん著

          わたし、見ちゃったんです

           洗車の度に車に小さな傷を見つけ、いつも心を痛めている。あぁ私の運転テクニックが未熟なばかりに気づかぬうちにどこかで傷つけてしまったのだ。ごめんね、ビートル。  ところが、今日、私は見てしまったのだ。  いつもの如く、突然、我がアパート付属の広すぎる駐車場でギャーギャー声がする。またしても階下のパリピファミリーかと窓からさりげなく下を覗くと、パパさんと坊やが自転車を乗り回している。というより、自転車鬼ごっこをしているようで、パパさんが後ろからすごい勢いで追いかけ、坊やが必

          わたし、見ちゃったんです

          「好き」なものをどう扱うか

           「好きなこと」を仕事にしたら幸せだと思っていた。「将来は英語を使った仕事に就きたい」と多くの生徒が言う。この「英語を使った」という漠然としたテーマの幅がいかに広いかを私自身、就職をしてから気づいたのだ。もちろん、私も生徒たちと同じように、将来は英語を使って仕事をしたいと思っていた。  中学生の頃から英語が好きだった。別に英語が得意だったわけではなく、映画が好きで洋楽が好きだから英語が必要だった。昔は洋楽のCDはすぐには発売されず、米軍放送で聞こえた洋楽のCDはディスクユニ

          「好き」なものをどう扱うか

          【読書感想文】『赤毛のアン』L.M.モンゴメリ/松本侑子訳

          【あらすじ】  プリンス・エドワード島のアヴォンリーにあるグリーン・ゲイブルズに住むマシューとマリラ兄妹は、共に独身のまま二人寄り沿って暮らしていた。年を重ねたマシューの農作業の手伝いのため、孤児院から男の子を預かる予定だったが、手違いで11歳の赤毛の女の子、アン・シャーリーを引き取ることになる。今まで教育も躾もされてこなかったアンを、マシューは優しく、マリラは厳しく、めいいっぱいの愛情を注いで育てる。二人の愛とアヴォンリーの人々との温かい交流を通して、アンは様々な失敗を繰り

          【読書感想文】『赤毛のアン』L.M.モンゴメリ/松本侑子訳

          他を見て己を知る

           大学で出会った親友はいつも物事を斜めから見るシニカルな友人だ。穿っているのではなく、クリティカル・シンキングというやつだ。とても的確に物事を捉えるので、何か迷ったり困ったときは冷静な判断を彼女に委ねることが多い。  そんな親友のYちゃんは日文に通っていた。英語はあまり得意ではないと申告していたが、1年生の初夏、ランチを一緒に食べようと学食で待っていたら、意気消沈した面持ちで現れた。どうしたのかと尋ねると、自分の英語力の無さに改めて直面し面食らったという。  私たちが通っ

          他を見て己を知る

          勉強の仕方

            ユーキャンで資格の勉強を始めた。と言っても、大量にテキストが送られてきて、1か月に1冊のペースで、自分で学習し月末には課題となる問題を解いて送ると添削してくれるというシステムだ。  これがめちゃくちゃ難しい。なにしろスタートが法律だ。そういえば私、社会科が苦手だった。というか、暗記が苦手だった。オーノー!  取り合えず、計算したら一日1レッスン進めると1か月に1冊が終わる計算なので、1レッスンを何度も読み、そして章末の確認問題を解いてチェックする。ところが、この章末問

          【読書感想文】『働かないのーれんげ荘物語』群ようこ著

          【あらすじ】  広告代理店を辞め、もう働かないと決めた四十八歳の主人公キョウコとキョウコが住むボロアパートの住人との交流をほのぼのと描く。  働かない=悠々自適というイメージがあるが、本人はいまだに「こうであらねば」という焦燥感に苛まれながら「他人からどう見られているか」を気にするキョウコに深く共感する。人間、そうそう気ままには暮らせないものである。  大きな出来事も事件も起きず、日々の小さな出来事と日常、そしてキョウコの葛藤が描かれていて、人によっては物足りないかもしれ

          【読書感想文】『働かないのーれんげ荘物語』群ようこ著

          好き嫌い

           好き嫌いが極端に多い人はちょっと厄介な人が多い。完全なる偏見だ。どうして好き嫌いが生まれるのか、はたまた治らないのかをずっと考えている。 親が嫌いなものを無くそうとしなかったのではないか、というのがまず第1の予測である。苦手なものは「食べなくてもいい」と言われ、それを食べなくても他にも食べるものは沢山あるから十分お腹がいっぱいになり、食べられないまま大人になる。  第2に、苦手な食べ物の美味しい料理を食べたことがないのではないか。はじめは苦手だと思っていても、ある時思い込

          お手伝い

           先日、テレビを見ていたらイタリアの田舎に住むおじいさんが亡き母親の写真を抱えてテレビのインタビューに答えた。 「ママはいつも僕にお手伝いをさせてくれた。まだ小さかった僕ができる仕事なんて何もないけれど、玄関の前を掃いたりお花の水を変えたりしかできないけれど、ママが僕を頼ってくれたのは本当に嬉しかった。」  もう70を超えるおじいさんが昔を思い出した時に、お手伝いが幸せな記憶となっているなんて想像もしなかった私は軽く衝撃を覚えた。そういえば私は何かを頼まれたことがあっただろう

          青春が蘇る

            我が家のHDDの残量が残りあとわずかとなり、夫と消せるものを見てしまおう(ドラマや映画は残しておくことが多い)ということで、『マツコの知らない世界』を見た。「マツコの知らない」ナポリタンの世界だという。食べ物の回はその後試してみたくなるのでワクワクしながらみていたら、及川光博が出てきて鼻血が出そうになった。  ミッチー、あぁそうだった。私はミッチーが好きだったんだった…  夫がいつもドラマに出てるじゃんという。違うのだ。あれは及川光博であって、麗しのミッチーではないの