私はスーパー中学生でした
これは中学一年生で経験した出来事です。
当時、私はテニスの王子様に夢中でしたので、当然のごとくテニス部に入部しました。
女子中学生の部活。
みなさんはご存じでしょうか。
そこには厳しい、しきたりがあることを。
そもそも私の中学には部活動に限らず様々なしきたりがありました。
まずはもちろんスカートの丈。
これは、どこの学校でもあったかと思います。
一年生はスカートを折り曲げて短くすることは許されません。
一年間は総じてスカートの長さはスネまでと決まっておりました。
なお、二年生になるとスカートを折り曲げることが可能になりひざ下までが許されておりました。
次にジャージです。
私たちの学校指定のジャージはとてつもなくダサかったのですが、もちろんこれにもしきたりがあります。
一年生はジャージのファスナーは首まで絞める。
開いていることは許されません。
また、上着の裾の方についるゴムの部分ですがこれを出すことは許されません。
一年生はゴムを入れ込み、おしゃれをしてはいけないのです。
ジャージに関しては二年生から自由が許されます。
まだまだ数多くのしきたりはございますが、三年生になると全てのしきたりから解放され絶対的な存在になります。
ここで話を戻します。
私はテニス部でした。
もちろんそこでも数々のしきたりはございましたが、三年生の存在は絶対でしたので従いました。
ですが。
私はそのしきたりの中で唯一受け入れることができないしきたりがありました。
それは、靴下の長さです。
もう本当にこれだけは無理でした。
テニス部の一年生の靴下は学校指定の中途半端な気持ちの悪い靴下のみでした。
長すぎても短すぎてもいけません。
この長さしか許されないのです。
私は、アンクル丈の短い靴下に強いこだわりがありましたので、どうすればこのしきたりから逃れることが出来るかとても考えました。
私は画期的な方法を思いつきましたので、早速思いついた方法で部活に臨みます。
すると凄いんです。
先輩たちの視線が。
そりゃあそうです。
しきたりを守らず、一人だけあの気持ち悪い丈の靴下ではないからです。
凄い形相をした3人のリーダー格の三年生に私は呼び止められました。
「ねぇ玉ねぎ、ちょっとこっちきてくんね。」
そう、上級生からの呼び出しです。
あれ本当に体育館裏に連れていかれるんです。
私の同級生はとても心配そうに連れていかれる私を見ていました。
体育館裏に着き、しつけが始まります。
お前調子乗ってんのか?とか舐めてんのか?など、恐怖であまり覚えていませんがとにかく怖かったです。
一年の頃の三年生ってなんかめちゃくちゃ怖いですよね。
異世界モンスターなんじゃないかってくらい怖いです。
「お前短い靴下履いてんだろ、脱げよ。ちゃんとルール守れ!」
私は言います。
「先輩、私、靴下履いてません」
今でも覚えています。
三人の先輩が鳩が豆鉄砲をくらった顔をしたのを。
「アンクルは履いちゃいけないけど、素足はダメって言われてないですよね!」
先輩は怯えているようでした。
こいつやばいって思ったのでしょう。
もういいよお前、と解放され、私は二年生に上がるまで素足で靴を履きテニスをし続けました。
そうです私は、古くから伝わるしきたりを≪とんち≫で打ち壊したのです。
時代を変えた瞬間でした。
そして許された私をみて、一年生全員、素足で靴を履くブームが巻き起こりましたがそれはまた別の話...。
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