糖質コントロールを阻む3つの“壁”
自粛太り、なんて言葉もちらほら耳にする今日このごろ。そのせいか、低糖質フードの売上げが伸びているのだとか。
糖質を控えるだけ、というシンプルな方法でウエイトダウン! ということで流行した糖質制限ダイエット。なかには挫折した苦い経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
いろんな理由があると思いますが、なかでもありがちなことについて考えてみました。
糖をうまく作り出せるか
ここで糖質オフ成功のキーとなる「糖新生」についておさらいをしてみましょう。
体内で使われるエネルギー源には糖のほか、ケトン体という、脂肪が分解されてできるものがあります。ほとんどの細胞はどちらも使うことができますが、赤血球と肝臓の細胞だけは糖質しか使うことができません。
では、糖質オフの食生活により、体内の糖質が減ってしまったらどうするか。肝臓はタンパク質から糖質を作り出し、血糖値を一定にキープしています。これが糖新生といわれる機能です。
糖質オフを効果的に実践する場合、この機能をスムーズに行うことができるかどうかがポイントになります。
糖新生を行うには、肝臓が健康であるのは大前提として、栄養が足りていることも欠かせません。たとえばビタミンB群やタンパク質といった栄養素。毎日のご飯でこれらが不足している人はあまり向いてないといえそうです。ビタミンB群やタンパク質は肉や魚に多く含まれているため、ベジタリアンの方は普段から不足していると考えられます。
血糖値とストレスの関係
次に、血糖値のコントロール自体がうまくできないタイプも。副腎から出ているホルモン、コルチゾールは、ストレスの多い環境で分泌され、身体を守ってくれていますが、一方で下がった血糖値を上げる仕事もしています。
ストレスの多い環境でしょっちゅうコルチゾールをたくさん出していると、そのうち副腎が疲れてうまく出せないような状態に......。
この状態で糖質オフダイエットを行ったとき、血糖値の調節がうまくいかず、手っ取り早く甘いものに手を出しがちに。
脂質をつい避けてしまう
高カロリーな食事メニューに抵抗のあるタイプも。
糖質を減らす代わりに脂やタンパク質をしっかりとるというのが糖質オフの基本的な考え方。全体のカロリーを減らしすぎると、エネルギーを使う場所である筋肉が減ってしまうことに。
「焼肉はカロリーが高いから食べない」「肉の脂身はきっちりはがす」と制限し過ぎてしまうと、食事全体がエネルギー不足に。お腹をきちんと満たしてあげないと、どうしても空腹をガマンするという状態になってしまいます。
わたしも糖質を摂りすぎないようコントロールしているひとりですが、試行錯誤の結果、意識しているのは、糖質を制限するのではなく、栄養をとる、ということ。ガマンが少なくなり、しっかり食べることにつながります。自分に合った糖質のとりかたが身についてきて、以前に比べてウエイトコントロールも格段にしやすくなりました。
肉や魚を多くとることは、タンパク質やB群をはじめとするビタミン、ミネラル補給につながります。身体を作る材料や、エネルギー作りをスムーズにする栄養をしっかり入れることで、糖新生もスムーズに。ストレスなど不可抗力も多いので、サプリメントの助けも借りたりしています。
こうしたことは、長い目で見れば身体の土台をしっかりさせることにつながり、ひいては病気の予防、アンチエイジングにもつながると思っています。