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逆流性食道炎は、似て非なる病気です【食道アカラシアと診断されるまで (3)】

さて、この食道アカラシアという病気。
よく誤診される病気に「逆流性食道炎」があります。今日は、2つめの病院で逆流性食道炎(胃食道逆流症)と診断された話や、アカラシアの胸痛とその対策について、などを。

※今日のnoteも、食事中の方にはあまりおすすめしません。

「飲み込みづらさ」を数ヶ月放置したまま、過ごすある日。
病院に行くきっかけとなったのは、突然襲ってきた激しい胸の痛みでした。ほんの5分程度でしたが、仕事中に突然、心臓のあたりをぎゅーっと握りつぶされるような激しい痛みが襲ってきたのです。(アカラシア診断後にあれこれ調べたところ、「心筋梗塞のような強い痛み」だそう)。すでに2017年の年明けを迎えていました。

さすがに「これは、なんかおかしい」とすぐにネットで調べ、“循環器系に強い”とあった近所の病院へ(何をどう検索したのかはあやふやです)。症状を一通り訴えた後、原因を探るために、翌朝、胃を空っぽにして、レントゲンに心電図、内視鏡検査を受けました。結果、診断名は「胃食道逆流性」。

逆流性食道炎と同じような症状だけれども、食道に(まだ)炎症は起きていない状態だ、との診断です。
「胸の痛みは何ですか?」と聞きましたが、
「僕にもよくあるけれど、結局は原因不明」というようなことを言われました。

「あまり効き目はないかもしれませんが、念のため胃酸を抑える薬をお出ししますね」で、診察は終了。生活習慣に関するヒアリングや改善アドバイスは一切ありませんでした。

帰宅し調べてみたところ、胃食道逆流性の発症原因は
・座りっぱなしの生活
・運動不足
・遅い時間の飲食
・アルコールやカフェインの過剰摂取

食道と胃をつなぐ「下部食道括約筋(LES)」という筋肉の衰えによるものだから、クスリだけで改善は難しく、生活習慣の改善が必要とのこと。

実際、胸焼けや呑酸(すっぱい胃液がのどまで上がってくる感覚)など、この病気に当てはまる症状も多少はあったし、何よりも原因のすべてに「もう本当に申し訳ございません」レベルに思い当たりまくりだったので、病名を疑うことはありませんでした。

でも、このとき気づくべき&もっと訴えるべきだったんですよね。
逆流している飲食物の大半は、胃まで落ちずにそのまま戻ってきているものだということを。

食道アカラシアは、括約筋がぎゅっと固くなってしまう病気(逆流は食道から)。
胃食道逆流性(逆流性食道炎も)は、括約筋が緩んでしまう病気(逆流は胃から)。

同じ場所に不具合が生じている病気ですが、まったく逆の、似て非なる病気なのです。アカラシアでも、胃酸を抑える薬をもらうケースはあるようですが、根本的な対処方法が違うため、当然その後も症状は悪化する一方。「戻す」症状に加え、もう一つの症状、「心筋梗塞のような強い胸痛」も頻繁に起こるように。

あるとき、スポーツジムの帰りにこの痛みが呼吸困難になるレベルで激しく襲ってきました。やばい、しんどい、どうしよう、苦しい。「救急車」の文字が頭をよぎりつつ、途中のスーパーでしばらく休ませてもらうことに(スーパーのみなさま、その節はありがとうございました)。

このとき、「きっとこれは逆流している胃酸が、食道を溶かしている痛みだ」と思い込み、とっさに飲むヨーグルトをその場で購入。飲んでみたところ、次第に痛みが治まってくれました。この胸痛、「あ、来る」という予兆があるので、その後は予兆が来るとすぐに飲むヨーグルトを摂取。摂取のタイミングが、わずか数秒の差で「激痛」になるか「まあ、しのげる」のどちらかになるほど、スピード命の対策でした。

じっさい

※以下はアカラシアの方以外には、1ミリも役に立たない情報ですが、アカラシアの方にはぜひに知っておいてほしい情報です。

せっかくなので痛み対策になっていたものを効果のあった順でいうと、飲むヨーグルト(サラサラよりドロッとしてるもの)、リンゴジュース、ポカリなどのスポーツ飲料。他にも柔らかめのゼリーやプリンなど。外出時もこれらのうち、何かしらを必ず常備していました。まあ、基本的にだいたいそのまま戻すのですが。

とりあえず何か水分の多いものを取れれば、そのまま放置するより痛みはかなりましでした。NGだったのは、炭酸水、オレンジジュースなどの柑橘系ジュース。戻ってくるときに、のどがかなりやられました。

「専門家ではないシロウトが、シロウトの経験でおススメを書くのはいかがなものか」と思うのですが、「飲むヨーグルトetc.を飲めば大丈夫」に気づく前後で、発作時の痛みレベルがまったく違ったので、書かせていただきました。あの痛みの緩和方法を知らずに、毎回ただひたすら耐えるとか、本当に地獄すぎるので。。

他のアカラシア経験者の方のブログなどでは、胸痛対策に炭酸水や冷水もおすすめされていました。炭酸水、戻すとき痛くない? 冷水、医療機関のサイトでは、症状を悪化させるって書いてたよ? などとは思いますが、おそらく「発作が来たら(予感したら)とりあえず何かを飲む」と痛みが治まるのは共通のようです。

「何を飲めばいいのか」は、食道の働きがどれぐらい鈍っているのか、下部食道括約筋がどれぐらい固く閉じているかで、個人差があるようです。「アイス」派の人もいました。

アカラシアの診断を受けるには、胃を空っぽにして受けなければいけない検査も多いですが、「あ、胸痛来る」の予兆を放置すると確実に激痛になるため、医師に相談して検査前でも水やポカリを飲む許可をもらっていました(どうせ戻すからOKというのもあったのかもしれませんが)。

「発作的に激痛が来るので」というとスムーズに話が通ったので、医師の方々も(正式には言えないのかもしれませんが)水分摂取することで痛みが和らぐことはご存知のようです。

あ、後日詳細に書きますが、術後のいまは発作の予兆が来たら、とりあえず「水」をごくごく飲んでいます。

続く。

※当記事は実体験に基づきますが、医学的な記述に関しては専門家ではありません。正確な記述ではないかもしれないこと、ご容赦ください。


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たままい。
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