幸せな気持ちになる春色の山を見に 鎌倉へ
春色に染まる山を見るのが好きです。
山桜が咲き始めると、花の咲いている木の場所が、淡い白に近いピンク色の綿菓子のごとく、山にぽんぽんと置かれているように見えるのです。新芽の黄緑色も加わって、ほんわか春色の山が出来上がっているのを見るのが大好きです。
桜が咲き始めた鎌倉へ
なぜ桜が咲く山にこんなに心惹かれるのだろう。冬から春へ、山のところどころに明るい彩りが桜の開花宣言と共にぽっと現れる。その変化に心が躍る。
春のふわふわとした雰囲気を感じるのが嬉しい。でもそれが見られる期間はなんと短いことか。あっという間に新緑になる。
その短さのせいか、咲き始めたと知ると心そわそわ、見に行けるとなるとワクワク、実際目にするとうきうきしてしまう。
桜の見られる時期は大体咲き始めてから10日間くらいだろう。
昨年はちょうど桜が咲き始めた頃に流行病に罹り、自宅療養をおよそ10日間している間に桜が散ってしまった。今年はたくさん見るぞ、と意気込んでいた。
今年印象に残った桜の景色は、神奈川県鎌倉の山。建長寺奥の山上から見る桜の景色と、北鎌倉駅西口から坂道を登って入る台峯緑地、そこから見える円覚寺・六国見山方面の山に桜が咲いている景色だ。
まずは北鎌倉建長寺へ
ここは鎌倉の桜の名所としても知られている。入り口から三門への道の両側には桜並木が続いている。仏殿でお参りを済ませ、奥へと進む。
建長寺奥にある半僧坊への入り口にはまた桜並木があるのだ。
その日はちょうど桜の見頃を迎えた土曜日。でも雨のおかげで人出は少なめ。ゆっくり桜を見られた。後で聞いた話だが、その何日か後の晴天時は入場人数制限があったらしい。
階段を登った先にある半僧坊には富士見台があり、天気が良ければ富士山が見えるスポットがある。
この日はあいにく雨で全く見えず。
しかし雲のような白いもやが木々に垂れ込めているのが見えて、それも幻想的でいいな、と感じた。ところどころの桜の木もいい感じ。
半僧坊よりさらに250段の階段を上ると勝上献という名の頂上に着き、鎌倉の街と海を見渡す絶景が楽しめる。
そしてその先は鎌倉の山を歩く楽しい天園ハイキングコースへとつながっていく。
雨だからこそ見えた素晴らしい春色景色
その日、階段途中から見た雨に煙っている景色が素晴らしかった。
淡い桜色に染まる北鎌倉の山々。海と空の境がはっきりしないのがまた良い。
雨のおかげでより一層うっすらとした色合いとなり、なんとも言えず美しい。ああ、この景色好きだなぁ。しばらく立ち尽くして見入ってしまった。
今年は桜が咲いている山を見られて良かった。しかもこの水彩画のような景色。雨の中、鎌倉に春色の山を見にきた甲斐があった。大満足。
春色の山を見る幸せ
もう一つ、大好きな場所を書き留めておこう。
ここは建長寺がある山とは反対側の山、台峯という緑地。北鎌倉駅から坂道を登って北鎌倉女子学園脇の道を通り緑地へ入る。
しばらく歩くと、開けた場所に出る。そこが向かいの山にある円覚寺と六国見山を望む展望地だ。そこから見る山の景色が素晴らしい。
北鎌倉の山の中から反対側の春の山を望む。山桜で彩られた山を見る幸福感。
こんな景色を目の当たりにしていると、自然に「わぁきれいだなぁ。この景色ステキですよね。」とそこにいる知らない人にも話しかけてしまい、「そうですねぇ」と会話が始まる。景色の美しさを共有する楽しみ、春色の山のマジックか、いつもより余計に幸せな気持ちにさせてくれる。
これもたまらなくて、山に行くのがやめられない。
春色の山はあっという間に終わってしまう。このはかなさが心惹かれる要因の一つであることは間違いない。今年の桜のシーズンはほぼ終わり。また来年を楽しみに。
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