絵本の記録〜秋に焼き芋しながら読みたい 『どろにんげん』
思わず手に取る本、というのがある
週に一回、子どもが保育園から絵本を借りてくる。借りてくると、読みました、と名前と日付をチェックしなきゃいけなくてその作業が地味にめんどうだ
だけど、どんな本を手に取るか、読んだ反応を観察してみるのもおもしろいなとむりやり思うことにしてみる。みうらじゅんも、仏像が好きで、仏像巡りをしたのではなくて、仏像巡りをしていたら仏像が好きになったというようなことを言っていた気がする(曖昧)
推薦図書とか、読むべき本、とかいろいろあるだろうが、子どもたちが思わず手に取ったであろう本や、繰り返し読んでもらいたがる本をメモしたい。なんせ、手に取るにはそれだけの理由があるだろうから。心の掴む何か。それはとってもピュアーなもので、おとなになり少し乾燥気味の心が欲してるものな気がするし、ツボを心得て子どもに好かれたいというシタゴコロもある。
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保育園の駐車場。車に入り込んだ次女が早速絵本袋から本を取り出す。「はやく座って」そう声をかけながら表紙をちらと見て
あっ……なんというチョイス。
わたしは、長新太さんが超好きだ。
一目見てわかってしまう。
どろにんげんと、たこ(蛸)と、やきいもが出てくる。
長新太さんといえば、ナンセンス。ナンセンスの長さん。
ナンセンス=意味のないこと、ばかげたこと、つまらないこと。
きっと、色んな文学的な文脈とかあるのだろうけれど、詳しいことは分からないけれど、長さんの作品を見ていると「ああ、ナンセンスだなあ」と思うから不思議だ。
絵がとても鮮やかで、文脈とかなんもないのに、描写が細かくて、なぜか一緒に気持ちが揺れうごいたりして、オチがない。
「こんど、ブレスレッドかってあげるから、さきに読ませて、ね?」表紙を見て面白そうだと思ったのか、姉がこそこそと、耳元で交渉している。
今度、川原で焼き芋をするとき、持っていって読もう。
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絵本 /『どろにんげん』/ 長新太さん / 3歳 / 秋