心で「こころ」を読み解く
岩波書店の第一号は夏目漱石の「こころ」だったことを初めて知りました。
漱石もいよいよ本格的に作家人生を歩み始めた頃のこと。
先日行われた「近代文学と花講座」。今月のテーマは夏目漱石の「こころ」でした。
先日書いたnoteでは、花をメインに取り上げましたので、今回は文学を主に語りたいと思います。
大正3年、朝日新聞の連載が始まった「こころ」。これを一冊の本に仕上げる時に、漱石は装幀から何もかも自分でこだわって作られたそうです。
その初版本の複刻版を手に取り、装丁や印字の美しさを堪能するというのがこの講座の醍醐味です。
こんな風にして参加された方々は、ご自身の生けた花と、文豪自らが想いを込めて生み出した名著とのコラボレーションを楽しまれていました。
今現在では目に触れることのない昔のフォント。流れるような心地良く美しい日本語。そして、魅力的な挿絵や贅沢な余白。紙をすくところからこだわった手触りの良いページ。文豪自前の印鑑…etc.
一冊の本の中に、こんなにも沢山の宝石が散りばめてあるなんて
驚くばかりでした。
本物の贅沢を味わいました。
今や、出版業界は平坦な文章で、ひらがなを好み、日本人の読解力をどんどん低下させています。悲しいなあ。
元々は戦後のGHQの政策だった事は多くの方がご存知のことと思います。
賢い日本人を骨抜きにする政策ですね。
日本文化を継承して行く為には、その文脈を読み解かなければならず、複雑な言い回しも厭わずに向き合う精神が必要だと感じます。
日本の未来のためにも、この講座を是非広めたいと思っています。