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全人口のうちにちゃんと花を愛しむ人

今年最後のリース

世界中から止められても、それでも尚やり続けたいことはあるだろうか。そんな宝物に巡り会ったなら、永遠の豊かさの中に浸れるだろう。

村上春樹氏のコラムを読んでそう思った。

「僕は、全人口のうち本当にちゃんと本を読む人は5%だと思ってるんですよ。ベストセラーみたいなのがわっと出れば浮動票が膨らむこともあるけれど、ブームが終わればまたしぼんで5%に戻る。でも、この5%の人たちは『本を読むな』と止められても読むんですよ、絶対に。そのコアな少数の人たちが大事で、彼らが読んでくれればだいたい飯は食っていける。クラシック音楽を聴く人も、ちゃんと自分の頭でものを考えられる人も5%。エリート主義みたいに聞こえちゃうかもしれないけれど、ものをつくる人間というのは、その5%の人たちを真剣に相手にしていくしかないんです」

The New York Times Style Magazine

花を買い、住空間に飾ったり育てたりする人も全体の5%いれば良い方かもしれない。私の仕事も、この5%の人たちを真剣に相手にしていくことしかないのだと腑に落ちた。

クリスマスとか、お正月とか、特別な日の花の需要はカウントせず、何気ない日常の中で、花を楽しむ人たちとどうやったら真剣に向き合えるのかがこれからの課題です。

花のようになる人たち

今日は、行き詰まってしまって、代官山で開催されていた「マリー・ロージー展」へ、散歩がてら行ってまいりました。

ポール・セザンヌの曾孫の曾孫がこのマリー・ロージーです。日本に作品がやってくるのは初めてだそうです。

作品は、セザンヌを期待すると違うのですが、新しい視点を持つ構成という意味ではセザンヌ的だと思いました。

花のようになる人たちのコンセプト

止められても、文章を書き続ける人がいる。止められても、絵を描き続ける人がいる。

私は、どうなのか?

花を贈ることが止められない。

子供の頃、野原で摘んだ名も知らぬ花を束ねて、母にプレゼントすることが喜びだった。花の仕事を始めたばかりの頃は、年末にお世話になった方々へお歳暮がわりにリースを作って送る事が最大の感謝の気持ちだった。

死ぬまで止められないことを持つ人生って、なかなか厄介だと思っていたけれど、今となっては豊かさに変わっている。

ありがたい。





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