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シュールレアるアール・フローラル


「生徒作品」

秋から冬へ向かうグラデーションを美しく束ねるレッスン。
フランス滞在中に、お城や古いお屋敷を訪ね歩いたせいか、”ロココ”と”アール・ヌーボー”に心奪われてしまったようです。
なので、今回の花材はちょっとロマンティックな色調にアレンジしてみました。

「シュールレアリズム展のポスター」

いやいや、パリに出たのならこれは見逃せない!

詩人アンドレ・ブルトンが1924年に「シュルレアリズム宣言」を発表してから100年を記念して、この秋からパリを始め世界中でこの芸術運動の大展示会が行われています。

私もパリに到着したその日に、ポンピドゥー・センターで開催されている
シュルレアリズム展へ行くことを決めていました。

「マグリット・個人的価値観」

シュルレアリズムとは、”パリから世界へ広がった20世紀最大の芸術運動” と会場に書かれてありました。

それは、フロイトの精神分析の影響を受けながら、無意識を探求する事で完全に自由な表現を獲得しようという芸術運動です。

第一次世界大戦と第二次世界大戦を挟んで、不条理な世の中と人間の愚かさ、生に真っ向から取り組もうとした、新い世界を創造させるものでした。

「人生を変える」

「世界を変革する」

などの力強い言葉が並ぶ展示室。会場全体から熱気が溢れていました。

「エスカルゴ状に広がる会場のレイアウト」

パリのクリシー大通りにあったシュルレアリストたちがよく通った「Cabaret de L'Enfer/ 地獄のキャバレー」を入り口に模した鬼の口がこの展示会のエントランス。

私たちもそこから地獄への暗い廊下を通って、「シュルレアリスム宣言」の部屋に辿り着きます。

そこを中心として、展示室はエスカルゴ状に広がるという仕組みになっています。

「ロブスターloverダリの電話」
「食うか食われるかtable」

それぞれの作品はノータイトル、もしくは非常に素っ気ないタイトルが付いていたりします。どう捉えるかは見る人に委ねるということでしょう。

ダリの「ロブスターテレホン」て…応答できないし。電話が鳴るのが嫌いだったのかなあ、などと想像するのも楽しい。

シュルレアリズム芸術は音楽、美術、映像、文学などあらゆる分野から世界中に広がり、現在でも進化を続けています。

理解しきれないからこそ、そのわからなさを抱えたまま無限に広がり続けるのだと思いました。

「遠くにエッフェル塔・ポンピドゥセンター最上階からの眺め」

わからなさと言えば…
パリに着いてからこの展示会をネットで検索してみると、混雑を避ける為、事前予約をせよとの事。

そこでチケットを購入して、予約した時間通りに行きました。
すると、長蛇の列!

でも1箇所、がら空きの入場ゲートがある。
そこから入ろうとしたら「ダメダメ!ここは当日券用のゲート」と。
おいおい事前予約は何の為?
いやはやフランスあるあるで、しょうがないなと渋々また列に並ぶのでした。

日本に暮らしていると、異国のおかしなところが目につきやすい。それは日本を外から見れば「ここが変だよ日本人!」的なことも見えてくるというもの。

外交の始まりは、その違いをまずは知るということでしょう。そして、外から眺めるから本当の日本の良さが見えて来る。

お互いの欠点を知り良き点を認め合えば、それをお互い補い合うことができる。それが真の外交ではないでしょうか。知的武器はお互いの精神の中に宿っているのだから。

損得や上下ではなく、時代は共有へ向かっている。


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