1年と冬の締め「大寒」の過ごし方
大寒について
「大寒(だいかん)」は冬の最後の節気で、太陽黄経が300度に位置する時。今年は1月20日に当たります。「大寒」の期間は1月20日から、次の節気「立春」(2月4日頃)までの約15日間を指します。
※二十四節気とは?
二十四節気は太陽の動きをもとにしており、太陽の黄道上(360度)の動きを15度ずつ、24等分して分けた季節の事です。毎年同じ時期に、同じ節気が巡ってきます。節気の感覚が一定で、半月ごとの季節変化に対応できるため、古くから、農作業や暮らしの目安として使用されてきました。
(二十四節気が使用されるさらに昔は、月の満ち欠けに基づいた太陰暦のみが使われていました。ただ太陰暦は、太陽の位置と無関係で、季節にズレが生じてしまうため、二十四節気が考えられたそうです。)
「大寒」は冬の最後の節気。寒さがさらに厳しくなり、1年で最も寒い時季です。この時期は寒気を利用した保存食(凍り豆腐・寒天・味噌・酒など)の仕込みに最も適しており、「寒仕込み(かんじこみ)」と言われています。
「大寒」が終わると、春の始まり「立春」を迎えます。立春となる2月4日はまだまだ寒いですが、「三寒四温」という言葉があるように、寒い日が三日続くと、その後の四日は暖かくなり、その繰り返しによって季節が春へと変化していきます。植物や動物の様子を観察していると、寒い中にも少しだけ春の気配を感じられます。
また、二十四節気では立春が1年の循環の始まりなので、大寒の最終日(2/3・節分)は豆まきなどの行事を行って厄払いをし、新年を迎える準備をします。
おすすめの養生法
「大寒」は1年の中で一番寒さが厳しい時期です。
東洋医学では寒邪(かんじゃ・冬の寒さのこと)は、疾病を引き起こす病因「六淫(りくいん)」の1つと考えられています。凝滞・収引の性質があり、気血の巡りを悪くし、体を収縮させ堅くしてしまうため、血行不良による冷え、痛みなどの不調を引き起こすことも。抵抗力が弱っている状態のときは、寒邪によって風邪もひきやすくなるので、この時期は温めることをいつも以上に意識しましょう。
身体を冷やさないため、できるだけ気温が降下する早朝や夜の不要な外出は控えて、日中の太陽が出ている時間帯に外出することがおすすめです。また、日中運動する場合は、頑張り過ぎて汗をかき、体内の気血を消耗することはなるべく避けましょう。
太陽の陽射しは交換神経を働かせます。その分、夜には副交感神経が働いてリラックスでき、睡眠の質が高まります。日中にしっかりと太陽の光を浴びる事で、自律神経の切り替えがしっかりできるそうです。
食養生では元気を補う作用のある食材を中心に、滞りを改善する食材も意識して食べるのがおすすめです。身体を温めて血行良くする食材は、長ネギ・ニラ・にんにく・生姜・紫蘇・シナモン・八角・クローブ・サフランなどです。普段のお料理にちょこっと追加してみてください!
「大寒」に作る、おうち養生レシピメニュー
これから「大寒」の期間中、今の時期だからこそ作りたい「旬のレシピ」を紹介していきます。
▼メニュー
1/21 生姜たっぷり牡蠣飯
1/22 スペアリブと大根のスパイス煮
1/23 白菜とりんごの和風コールスロー
1/24 蓮根と大豆の甘辛和え
1/25 海鮮チゲスープ
二十四節気の最後の節気、そして冬の締め「大寒」。春はすぐそこです。それまではしっかりと身体を温め、冬の食材を楽しみましょう!