【一人旅】2023.05 ゴールデンカムイ展札幌会場と支笏湖・小樽・札幌聖地巡礼
春の北海道へ、一人旅に行ってきました。
今まで何も触れず北海道旅行記を載せてきましたが、実はめちゃくちゃゴーデンカムイの聖地回ってました問題。
▶︎ゴールデンカムイとは
週刊ヤングジャンプで連載していた野田サトル先生の大ヒット漫画。
今となってはほとんど漫画やアニメを見なくなったのですが、そんな中でも好きな漫画教えてくださいと言われたら真っ先にゴールデンカムイを挙げるくらい大好きな作品です。
「冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・ホラー・GAG&LOVE! 和風闇鍋ウエスタン!!」という秀逸なキャッチコピーの通り、エンタメ全部詰め込まれてます。
めちゃ面白い。
北海道が舞台ということもあり、作品内には北海道の実在する場所や現存する建物がたくさん出てきます。
今回は特に聖地巡りしに行ったわけではないのですが、たまたま行った先に有名な聖地があって〜というのを繰り返しているうちにどんどん楽しくなってスイッチONになりました。
同じタイミングで札幌で開催されていたゴールデンカムイ展もとても素晴らしかったので、厳選してゴールデンカムイという作品の良さをお伝えできればと思います。
※旅行記の方に載せてる写真と被らないように選びましたが、一部重複ありますのでご容赦ください。
▶︎千歳・支笏湖
支笏湖はのっぺらぼうが金塊の一部を持って逃げ、転覆した湖。そしてその沈んだ金塊を見つけるため海賊房太郎が潜っていた場所です。
支笏湖は北海道で1番深いカルデラ湖で、日本屈指の透明度を誇ります。シュノーケリングと水中遊覧船を目的にして来たのだけど、この日は強風のため中止でした…。
房太郎が金塊を探して潜っているときの背景に描かれている柱状節理 (規則正しく冷え固まった溶岩石)はダイビング中級者向けのポイントですが、水中遊覧船に乗れば見れるかも。
周辺には多くの山野草が自生していて、イトウの花こと福寿草なんかも見られるそうです。
福寿草は見つけられなかったけど、どこへ行ってもフキの若葉がわんさか生えていました。
写真だと伝わりづらいですが、傘にできそうなくらい直径の大きな葉っぱがたくさん!
他には野鳥の森という国有林を一部解放した観察路があって、シジュウカラやヤマゲラなどさまざまな鳥類も生息しています。
シマナガエは居ませんでしたが、見上げるとサトザクラが満開。
北海道らしい壮大な景色で見応えあるし、アクセスも新千歳空港からバス1本で行けるのでぜひ。
↓支笏湖エリアの詳細な旅行記はこちら↓
▶︎小樽
ゴールデンカムイの始まりの地とも言える小樽。
歴史的建造物が立ち並ぶ街並みは、今でも明治時代の面影を残しています。
・旧百十三銀行小樽支店(浪漫館)
土方が愛刀・和泉守兼定を奪還するため襲撃した銀行のモデル。現在はガラス雑貨やアクセサリーを扱うお土産屋さんです。
作中では蔦が茂ってないので、蔦なしverはどこかで見れないかな〜と思っていたら運河プラザでポストカードを発見。購入。
・旧小樽倉庫(小樽市総合博物館 運河館)
小樽市総合博物館の運河館。
この建物自体、旧小樽倉庫という明治時代からある建物のため作中の背景に幾度も出てきます。
そして現在内部は博物館になっていて、アシリパさんの着ている衣装のモデルになった『テタラぺ』が展示されています。
テタラぺはイラクサ(刺草)を使った衣服。
アンデルセンの「白鳥の王子」も魔女の呪いを解くためにイラクサで服を編む話だったので、イラクサの繊維活用方法は世界共通なのね。
また、テタラぺは北海道よりも北に住む樺太アイヌ文化圏の物のようです。
(松濤美術館で『アイヌの装いとハレの日の着物展』してたときのツイートを引っ張ってきましたが、この美術館はとても雰囲気良いところなのでぜひ機会があれば行ってみて欲しいです)
作中で北海道アイヌが着ている着物『アットゥシ』はオヒョウの木の繊維。テタラぺは色合いがアットゥシに比べて白っぽいのが特徴とのこと。
アニメを見てて、アリシパさんだけ他のアイヌの登場人物とは明らかに着物の色が違うというのはずっと思ってて。
最初てっきり主人公だから目立たせるためにあえて白っぽく描いてるのかと思ってたけど、「父のウイルクが樺太アイヌだから、それを受け継いで着ているという」というちゃんとした設定があった上での描き分けなんですね…!
衣装一つ取ってもめちゃくちゃ細かい設定背景が出てくるのやばくないですか!?
私はこういう綿密な設定に興奮するタイプの変態なので、当然テタラペも興奮気味に見にいくのですが。
そうそう、展示室に入ってな。
ここにテタラペが…
テタラぺが…
ナーイ!!(チピィッ !!)
札幌のゴールデンカムイ展に貸出中でした。
後で、後でそっち行きますので…。
代わりに作者の野田サトル先生の色紙が展示されていました。詫び色紙ですね。
あと小樽市総合博物館のTwitterアカウントでこちらのテタラペについて解説してくださってて、なかなか興味深い内容なので合わせてどうぞ。
運河館には鰊漁に関する道具、剥製や標本なども展示されているので、作品に出てくる動物や植物もチェックできます。
・旧大家倉庫
稲妻夫婦こと、坂本慶一郎と蝮のお銀が倒れた場所。二重アーチの門と、妻壁のマークが特徴的。
昼間に行きましたが、夜だとまた違った雰囲気になりそう。
ここは小樽市総合博物館の運河館〜本館まで歩くときに通ります。みんな歩こう…!
1巻にちらっと出てくる旧日本郵船小樽支店も近くなのですが、現在は修復工事中で完工は令和6年6月予定とのことでした。
また来なくっちゃね。
・小樽市総合博物館本館
物語のクライマックスに出てくる暴走列車のモデルとなった「しづか号」
小樽市総合博物館の本館に展示されています。
私は鉄道とか電車には全く興味ない人間なのですが、実際来てしづか号を見たらクライマックスシーンを思い出してめちゃくちゃ興奮しました。
ゴールデンカムイという作品に対する色んな感情が込み上げてきて感極まったので、最終巻まで読んでる方は小樽来たら絶対に見に行った方が良いです!!ぜひ!!
博物館のTwitterアカウントでは、野田サトル先生がしづか号の取材をしにきたときの逸話など面白い小ネタをいっぱい綴ってくださってるのでおすすめです。
コミックス5巻あたりに出てくる鰊御殿は時間の関係で行けませんでした。
小樽はまだまだ掘り下げたいので何度でも来たいです。というか移住したい。
▶︎札幌
最後は札幌。
・北海道大学植物園
植物園内にある博物館本館は、有名すぎるほど有名な江渡貝くぅんのお家。
館内には、ゴールデンカムイの作中と同じように動物の剥製や骨格標本が多数展示されています。
他にも北方領土民族資料館があって、アイヌ民族を中心に儀礼用具、狩猟用具などが展示されているようです。今回は行かなかったのですが作品内に出てくるアイテムが見られるかも。
また、植物標本として作中にでてくる野草も栽培・展示されています。
↓北海道大学植物園の詳細な旅行記はこちら↓
・日本基督教団札幌教会
作中に何度か登場する教会。
ずっと晴れてたのにこの教会に来たあたりで曇りだした…。
ステンドグラスがの丸窓が可愛い教会ですが、かなりシリアスなシーンでばかり登場する&タイトル回収の地です。
曇り空も合間って、作品の内容と照らし合わせて教会を見るとなかなか鳥肌でした。
でもコミックスで見たときはこんな可愛い配色の教会だと思わなかったので、アニメ5期でガッツリ出てくるのが楽しみです。
この頃にはだいぶ聖地巡礼熱が上がってきていたので、開拓村やビール工場も行きたかったのですがどう考えても時間が足りなかったので見送り。
時間がいくらあっても足りない…
しかもちょうど滞在中に開拓村で実写映画の撮影していたようで、山本理髪店は公開制限されていたようです。それは行かなくてよかったなのか、逆に行った方がよかったのか悩ましいところ。
まさに本日、実写映画のティザーが公開されましたね…!
実写映画化はちょっとな…と前は思ってましたが、公式サイトに掲載されているキャストや制作関係者の方のコメントを読んだら感動しちゃって。
本当に深い愛情を込めて真摯に作ってくださってるというのが伝わってきたので、今はめちゃくちゃ楽しみにしてます。
▶︎ゴールデンカムイ展 札幌会場
そうしてようやく辿り着いたゴールデンカムイ展・札幌会場。
行ったのが夕方ということもあってか、激混みだったのであまりじっくりは見れませんでした。
入るとヒグマがお出迎えしてくれます。
ヒグマの視線の先には…
小樽で見れなかったアシリパさんのテタラぺ!
紺の紋様が褪せずに発色してて美しいです。これが植物の繊維でできているとは思えない。
前情報をあまり入れずに見に行ったのですが、展示の構成としてはこんな感じ。
ZONE1、ZONE2でストーリ紹介、キャラクター紹介がされていて、併せて野田サトル先生のコメントと共に関連資料が展示されています。
杉元の軍帽とか背嚢はちょっとゾッとするくらいリアルな質感でした。
軍服とか軍帽って実物を目にすることは全く無いのでどうしても先にコスプレ衣裳が浮かんでしまうのですが、これを見たことで作品の解像度がむちゃくちゃ上がる。
ZONE3ではアイヌ民族の生活や食文化が実物資料と併せて展示されています。
作品に出てくるアイテムもいっぱい。
アイヌ関連の資料が多く展示されている中で、私が1番感動したのは衣服に関するもの。
アイヌ紋様ってずっと染め物なのかなと思っていたのですが、全て刺繍でした。
どれもめちゃくちゃ細かくて繊細。
一着にどれだけの手間がかけられているんだろう。もしこの1着を自分で作ろうと思ったらどれだけの時間がかかるんだろう。
アイヌ文化は知れば知るほど奥深いし、民芸品の繊細さと美しさに惹かれます。
ZONE4では作中に登場する銃やサーベルなど武器の実物資料が展示されていました。(混みすぎててこのあたりは写真撮るどころではなかった)
ZONE5 黄金色名画廊ではカラーイラストが展示されてます。好きな扉絵はあるかな〜と探す。
最後のZONE6のみ、作品のクライマックスに関わる内容なので撮影禁止でした。
ちょっと涙ぐみながら会場を後にする方も多数いらっしゃったのでハンカチ持参必須です。私も袖を濡らしながら会場を後にしました。
展示内容のボリュームがすごくて、この記事に載せたのはほんの100分の1くらいです。
展示品の多くが民族文化や歴史に関するものなので、ゴールデンカムイそんな知らない人でも博物館感覚で見たら絶対面白いと思います。
(ただし最終話のネタバレを喰らうのでZONE6は飛ばした方がいい)
チケットと入場特典の色紙。
あとこの日は白石サーズデイだったので(白石サーズデイってなんやねんというのはさておき)白石のお面を貰いました。
ホテルの部屋に飾っておいた。
グッズはポストカードと味噌ラーメンを購入。
公式図録が欲しかったのに買わなかったことをめちゃくちゃ後悔してるのですが、小樽からの帰りで疲れてたし酒瓶2本抱えてたのが重すぎてもうこれ以上荷物増えるのが無理だった。脳死してた。
このゴールデンカムイ展、現在は函館で開催中できっと最終会場だと思ってたんですが、なんと来年仙台〜新潟と巡回予定です。
何度でも見たい展示となってるのでまた行きたい。
佐渡島にはいつか行きたいなと思ってたので、この期に新潟行っちゃおうかな。
▶︎ゴールデンカムイという作品について
このとき4期のアニメが再開したばかりで、まだ見れてなかったのでホテルに帰ってきて樺太脱出しながら月寒あんぱんを食す。
OPのタイトルが入るシーンは何回見ても美しい。
これまで漫画作品の一つとして好きだったゴールデンカムイですが、北海道に滞在していた4日間で聖地を巡ったりゴールデンカムイ展を見たりして、「好き」の意味がちょっと変わりました。
特に、作者である野田サトル先生への尊敬の気持ちが大きく加わったのが1番です。
何がすごいって、ゴールデンカムイ展に展示されていたアイテムは一部を除いて殆どが野田先生の所蔵品なんです。
インタビューで、実際にアイヌの工芸家の方の元を回って数百万かけて資料集めをしたってお話されてました。連載開始時は貯金がすっからかんだったとか。
作中に「正しく伝えることは大切だ」というセリフがあるのですが、まさに正しく伝えることを意識しながら綿密に資料を集めて、民俗文化の探究、時代背景考察などをされてきたんだろうな…
(だから「ヒンナ」が美味しいという意味で広まってしまっていることを嘆いておられた)
お金や時間をかけ、実際に足を運んで資料集めをするってめちゃくちゃ大変だったと思います。
でもその土地に生きる人々や、その時代に行きた人への敬意を感じます。本当に尊敬する。
旅行から帰ってきて1巻から全部読み返してみたのですが、知ってるストーリーなのに前より奥行きが生まれてずっとずっと面白く感じました。
アイヌの隠された埋蔵金を探すと言うのが話の本筋ではあるのですが、作中では民族、出生、病気などありとあらゆる差別や弾圧との戦いが描かれています。
何のために埋蔵金が隠されたのか、見つけて何に使いたいのかに焦点を当てていったとき、大切なもの守っていくためにそれぞれどう戦うかという物語へと変わっていきます。
面白いシーンばっかりが話題になることが多いので、ちょっと下品な漫画と思ってる方も多いと思いますが(それはそれで間違ってない)自身の幸せのためにどんな道を見出すのか、何を選択していくかを考えさせられた作品なので、ぜひ沢山の人に読んで欲しいなと思います。
なんて、なかなか漫画の感想を真剣に話すことも少ないのでこの機会に語ってみました。
そんなわけで!
ゴールデンカムイ展がもっかい見たい&聖地巡礼の魅力に取り憑かれた私は帰ってきて早々に函館旅行を予約したのでした。
ポチっとな。(9月に函館行ってきます〜)
いつものように長くなってしまいましたが、春の北海道一人旅はこれで終わりです。
北海道もゴールデンカムイも大好きになった楽しい旅でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
-- --9/1追記-- --
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-- --9/12追記-- --
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たくさんの方に読んでいただけて本当に嬉しいです。
ありがとうございました!
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