【感想文】白い満月/川端康成
『見た目は大人!頭脳は子供!その名は……』
▼あらすじ:
▼読書感想文 〜 推理結果のご紹介 〜:
本書のドアタマとラストでお夏と「私」がイミフな事を言っており、これを読んだ多くの読者は混乱したのではないか。そこで今回、このイミフ発言を解明するため、たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、つまり私による推理結果を以下にご紹介させて頂く。
【ドアタマにおけるイミフ発言】
上記における「河鹿」とは魚のカジカではなく「カジカガエル」のことだろう。お夏はその鳴き声を <<お月さんの光に浮いているよう>> と表しているが、これが不可解というわけではない。カジカガエルの鳴き声って、実際に聞いてみれば分かるけど、遠くの方で浮ついた高音が響いているなあって感じの声なので、お夏の形容もまあアリっちゃアリかなと思う。で、不可解なのは、お夏が語った「月の光に浮いているような声」が <<時々地の底へ沈み込むように聞こえる>> という部分と <<そういう日は耳が悪い>> の2点である。この不可解な発言は何を意味するのか。それは作中ラストのイミフ発言で明らかになるので、該当箇所を引用する。
【ラストにおけるイミフ発言】
上記はエスパーお夏が自身の死だけでなく「私」の死も予知した直後の場面である。この二人は死ぬ。でもまだ生きてる。この状況を念頭に置くと、前述の <<静けさの底にあらゆる音が流れるのを聞いていた>> という一見矛盾した表記における、「静けさ」とは、何もない世界(=あの世)を連想させる。次に、「底にあらゆる音が流れる」のは生きとし生けるものが活動する現実(=この世)を連想させる。つまり、お夏と「私」は「この世とあの世の境界」に存在しているのではないか。だからこそ「静かなのにあらゆる音が聞こえる」という矛盾が「私」とお夏に限っては成立するのである。
【ドアタマのイミフ発言の意味】
以上の推理に基づくと、ドアタマのイミフ発言の <<時々地の底へ沈み込むように聞こえる>> が意味するところは以下になる。
といったことを考えながら、この感想文のタイトルを広告屋に売り込んだら「コナンのパクりじゃん」と追い返された。
以上