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半年間やったことを振り返ってみた(授業編)

三連休(土曜授業があったので)を使って、僕が授業でやってきたことを改めて言語化してみて、これからやりたいことを考えていきたいと思います。

◯やったこと

●国語
・ひらがな・カタガナの学習をティーチングの場から学び合う空間へ

ひらがなの文字を全体に示し、その特徴を見つけられた子に言ってもらいます。
こちらから説明するのではなく、子供が気づいたことを出し合っていくことで言葉の形に気づき、子供の力で学びを作っていきます。
その後ワークを埋められた子から言葉探しです。習った文字が入っている言葉をノートに書いていきます。ここで大事になってくるのは、言葉が出て来なくなった時に何をするかです。
うちのクラスでは、真似すること、アイデアを盗むことが奨励されています。ですので、友達のノートを覗きに言ったり、教科書や本から情報を集めたり、色んな方法を使って情報を集めます。面白いのは、言葉を見つけても意味がわからないと自分のノートには書けない子が多いです。友達のノートを見る時にノートは持ち歩けないので、自分も意味がわかる言葉や、友達に説明してもらって意味がわかるものしか覚えていられないのです。一人でやると終わってしまうような学びも友達とならどこまでもいける。
学び合う価値や真似することの価値を言葉と共に学んでくれていると思っています。

・グループでの音読活動

国語の物語文の学習では、音読をまとめの活動においてきました。
グループで、役割を分担し、覚え、工夫し、読んでみる。
一年生ながら、話し合いを行い工夫をし、音読していきます。
この前は、どこを読むかというところから自分たちで選ばせ、役割分担のやり方さえも自分たちで選ばせました。
音読という表現活動を通した学びの可能性を感じています。

●算数
・算数の壁と一斉指導

算数の壁とは、個別最適化に向けた問題集のことです。(一人72枚くらいのプリント集である。)

具体的な内容をあげるのであれば、順序の授業。「なんばんめ」を解くという内容で話をしていきます。

まず15分で授業内容を伝えて、そこからは自分たちで問題を解く教科書の問題を解くところまでがその日の最低ラインで、ここまでは全員ができた。その後は、各々が自分の学びの段階にあったプリントを解いていました。

やってる時は必死だったけど、一人一人が問題にトライしている姿からは感じるものがあり、個別に困っている子と話ができるのもこの形のいいところでした。子供のモチベーションも高く、授業後、何人かの子供達が「先生休み時間もやっていい?」と言いに来たので、手応えを感じていました。

しかし、数回やっていく中で息詰まりました。算数の授業で、ゴリゴリ個別で作業させていたんですが、子供は楽しそうだったけど、算数として深められているのか、これでいいのかなって思っていました。

個々の学びを寄り添えてないんじゃないか。形だけのアクティブになってないか。本当に子供たちは自分で自分に合わせた教材を選べているのか。評価をどうするか。課題は山積みでした。

一番悩んだのは、子供の姿を見れていないということです。

クラス全員の様子を僕が把握できていませんでした。そもそも25人見とれる訳がないというスタンスで、いる僕だからこそ、全員を見とるという行為があるからこそ生まれる価値みたいなものを考えたことがありませんでした。

そんな中で、一斉授業をやってみて子供を見ていく中で気づいたことがあります。

それは、小学一年生段階の子供たちの学力差はそれほど多くないということです。個別最適化を進めていく際に、一人一人の学びの段階に合わせて課題を提示をしていくことによって学びを深めていけると思っていました。しかし、一人一人が違う問題を解く必要が一年生段階だとどれくらいあるのか疑問を抱くようになってきました。問題は解けるが、それを算数的に考える力、物事を順序立てて考える力は育まれていないのだとしたら、問題を解くためではなく、物事を捉える見方を育めために一斉で学ぶ方が一年生段階ではいいのではないかと思うようなりました。

●道徳
・抽象的な問いを投げかけてみる

子供達に哲学対話の要領で抽象的な問いを投げかけてみました。「どうして人と仲良くしなければいけないのか」「きまりがあるとどんないいことがあるのか」考えてきました。

やってみて、一般的に価値があるとされているもの(例:きまりは守るべきだ)の認識はあります。その一方で、どうしてそれは価値があるのか考えると抽象的過ぎて、話し合いが進まないことがあります。また、一年生段階だと「自分」という視点から離れられない子も多く、議論のためには、物語や具体から考えることで話し合う種を見つけることが必要な子も多い印象です。

それを踏まえ、物語を深めるやり方を実践してみました。物語を味わうという新しい引き出しが増えてきたように思えます。

◯生活
・シャボン玉作りで、仮説を立てて思いっきり失敗させる。

大きなシャボン玉ってどう作るか探究しました。どうやってシャボン玉を作るのか子供に聞いてみました。

シャボン玉液が必要!
シャボン玉が入ってるボトルについてる輪っかのやつでできる!
息を吹くとできる。

じゃあ輪っかがなくてもできる?

できない!

じゃあ、ストローってそのまんまで息を吹いたらできる?

できるよ!
できないよ!十字にしないと無理だよ!

じゃあ、今度やってみようね!

うん!!

じゃあストローで、どうやったら大きなシャボン玉を作れるかな。

ストローの十字を大きくすればいいんじゃないかな。
ストローを長くすればいいんじゃないかな。
十字をもっと細かくすればいいんじゃないかな。

じゃあ、吹き方は??

ゆっくり!
つよく!
優しく!!
一気にふく!!

じゃあやってみよう!

彼らから出てくるアイデアを基にストローを工作して、外でシャボン玉を作りました。

ゆっくりするとできた!!
そのままだとシャボン玉できないよ。
全然うまくできない。
大きい方ができたよ!

子供達がイキイキと活動して、試行錯誤していく中で、色んな気づきを得られていました。

次の週に振り返って、どうやったらもっと大きなものが作れるか検討し、次回ハンガーなどを使ってもっと大きなシャボン玉作りに挑戦します。

子供が自分の仮説を実際に検討できる場を作れたことは大きな成果だと思います。

◯図工
・遊び場と遊び方を教えて混ざり合う感じを楽しむ

図工に関しては、アイデアと真似の応酬です。ただ、遊び方を知らない子も多いので、遊び方と遊びの中でも立ち返るためのテーマを決め、子供達の遊びの可能性を広げてきました。

この場をどう面白くしていくかまだイメージしきれていないのが課題ですを。

◯学活
・クラスのルールを作る。

子供の想いを全体に広げて議論する場を作ることができました。「先生、教室に入口と出口を作ったらどうかな?」そんな呟きをクラスのみんなで考え、クラスのルールを作ることができました。

・学級会で決める経験
僕がファシリテートしながらではありますが、クラス遊びなどをみんなで決める経験を積むことができてきています。

さて、これらを基にこれからどうしていきたいか考えていきたいと思います。

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小泉しのぶ(小学校教諭×起業家→教育委員会×起業家 )
サポートして頂いたもの、全て教材の作成費用等の子供たちのために使わせて頂きます。