小さな工夫でクラスの九割が100点を超える漢字テスト

一年生では、習った漢字を使ったミニ漢字テストを行っている。

５問という少ない問題数ではあるが、全問正解しないと翌日に再テストになる。

なかなかに厳しいもので、最初頃はクラスの４割は再テストというなかなかに悲惨な結果だった。

しかし、いくつかの工夫を取り入れた結果、ウチのクラスのミニ漢字テストの合格者の割合は、９割を超えている。しかし、一度や二度のことではなく、常時それだけの合格率を維持している。

漢字の言葉探し

多くのクラスが漢字の学習をその文字を学ぶことで終わりにしている。

ウチのクラスも、学年で決められたワークを用いて漢字を勉強しているのだが、文字をなぞったり書いたりするの回数が決まっているため、早く終わった子が持て余す状況が生まれやすい。

そこで、ウチのクラスでは、指定された範囲をやり終えた子から習った漢字が付く言葉や文を考えノートにできるだけ書かせている。

こうすることで、語彙を増やすのも目的である。

また、音だけで漢字を判断してしまう子が多いので、言葉探しを通して、漢字の意味を考えさせ、誤った使い方をしているときは、習ったその時に失敗して、僕が直すことで変な癖をつけないようにしている。

もちろん。一人でやると限界はすぐ来るので、友達のを真似するのはOKにしている。

真似して成長し合う。

そんな風土を作ることにも役立っている。

多い子は漢字ノートに3ページ分の言葉探しをすることもある。

周りの子のノートを覗くことができるので、一人が言葉に気づいて、書く言葉が増えるとみんなの語彙が上がるという設計にもなっている。

漢字の広場

言葉探しが好きな子もいれば、ノートに多く書くことに喜びを感じず、モチベーションを保てないでいる子も少なくない。

また、ワークの指定された範囲を終わらせるのが遅い子は、友達のノートを見ることが出来ず、学ぶことができないという課題もあった。

そこで、漢字の広場を始めた。

漢字の広場は、模造紙に習った漢字を貼り付けて、その周りに言葉探しで見つけた言葉を、付箋に書いて、貼り付けるというものだ。

その模造紙はクラスの後ろの扉の横に貼られている。

やっていることとしては、言葉探しと大きくは変わらない。

ノートが模造紙と付箋に変わっただけだ。

しかし、模造紙という大きな紙に自分の考えた跡を残せることや周りの人も見る目立つところに自分のやったことを残せるということで、言葉探しが苦手だった子も漢字の広場に言葉を貼り付けるために、言葉探しをやるようになった。

ただ、漢字の広場の難しいところは、漢字を誤って使っている時に誤った使い方を広げてしまう可能性が大きいということだ。

そこで、二つのルールを設けた。

一つは付箋に書けるのは、言葉探しでノートに書いた言葉だけにすること。

これは、その子の誤った使い方を直すために行っている、

次に、誤った使い方をしている付の上に、僕が子供達から出ていない言葉を貼り付けることだ。

これをすることで子供達の語彙が広がるだけでなく、間違ってしまった子の挑戦のお陰でみんなが勉強するキッカケをもらえたという挑戦へのポジティブなフィードバックをすることも可能になる。

活用し、挑戦し、共有するための場作りの工夫です。

100点満点じゃない漢字テスト

それだけやってもテストで満点を取る子は少なかった。

100点を取るか取らないかというラインがあることで、子供達の中で、ここまででいいやというラインができたんだと思う。

そんな時、蓑手さん実践を拝見した。

漢字テストに満点を作らない。終わった人からそのテストに出た言葉を用いて熟語を書くというやり方を知った。

これはいいと思い次の日から実践してみた。

すると、言葉探しをしていた彼らがイキイキとし出した。

書けば書くほど点数が上がる。

最高で420点の子も出てきた。

五分という限られた時間で、多くの言葉を書く子供達、多い子は５問解いた後に、16個の言葉を書く。

こうすると不思議なもので、今まで100点を取れなかった子が、簡単に100点を取れるようになったのだ。

100点という上限が無くなったことで、覚えることは通過点になったのだ。

漢字テストにやる中で

今回、この実践をやる中で改めて知識は覚えるものではなく、使うものだということを感じた。

使う場をどのように設定するか

アウトプットの重要性を感じるとともに、漢字一つとってもこれだけ試行錯誤できることに場作りの奥深さを感じました。

日々学び、試していきたいと思います。