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赤玉は何個あるのか

おはようございます。今日は、意図せず物事を多面的に見ることができた事象についてお話させてください。

物事は一面で見ただけでは解決しないことが多いです。

それを顕著に表してくれた謎解きがありました。

(レイトンミステリージャーニーの中で出てきた謎解きの一つ。)

Q.縦5×横5の棒に玉を通すおもちゃがある。赤い玉と黒い玉をいくつか通したが、途中で数を忘れてしまった。この時、赤い玉は何個あるだろう?

そしてこの問題を解く手がかりとして、上から見た図が与えられていました。

それがこちら。

画像1

(https://h1g.jp/mystery-journey_dx/?【032】赤い玉と黒い玉より参照)

しかし、これだけの手がかりで赤玉が何個か答えられる人はいない。

そう、謎解きでなら、皆、理解できます。

一面だけ見ただけでは、何も分からないことを。

だがこれが、人や、言葉になると急に違ってきます。

その人の一面や、言葉の一面を見ただけで、全て理解したと、錯覚してしまうことが往々にしてあるのです。

だけど、謎解きでわかるように、一面だけ見て答えなど導きだせやしない。

このことをまずは強く認識しなければいけない。

上記の謎解きでも、手がかりはもう二つ用意されていました。

画像2

(https://h1g.jp/mystery-journey_dx/?【032】赤い玉と黒い玉より参照)

正面と右から見た図。こうやって三方面から見ることで、やっとどうにか赤玉が何個あるのか導き出せるのです。

これと同じようなことが、僕の日常でも起こりました。

意図して読み、鑑賞していたわけではないのですが、この三作品を連続して堪能しました。

それが、斜陽(太宰治)、日の名残り(カズオ•イシグロ)、そしてブリジャートン家(Netflixオリジナルドラマ)です。

共通しているのが、どれも『貴族』に纏わる話だということ。

しかし、置かれている立場が微妙に違います。

斜陽は元貴族の話。

日の名残りは貴族に仕える執事の話。

ブリジャートン家は貴族の話。

(日の名残りとブリジャートン家についてはどちらも中世の英国が舞台になっています。)

そしてそれぞれが、各々葛藤し、悩みを抱えているのです。

斜陽に出てくる元貴族の男は、庶民になろうと努力するが、上手く立ち振舞う事ができない。

日の名残りに出てくる執事は、仕えてきた主人の行い、自らの過去の行いを認めようとしていたが、旅を通じて、それらの行いに過ちがあったと悟る。

ブリジャートン家の主役の貴族の女は、結婚できなければ私は無価値だと嘆く。

貴族というテーマで書かれた作品を連続して堪能したことで、貴族の世界を多面的に捉えることができたのです。

特に日の名残りを読んだ後にブリジャートン家を鑑賞した時は、効果が絶大でした。

日の名残りの本を通じて、頭に想像した世界を、ブリジャートン家で映像化してくれていて。

ブリジャートン家を観ているのに、

ああ、日の名残りの執事は、この世界にいて、ここで葛藤していたんだな、と

ブリジャートン家を見ながらにして、日の名残りの執事の心情をより深く理解できたのです。

これこそが物事を多面的に見る意義だ。

執事だけの話だけでは貴族という世界を一面でしか理解できなかった。

その時に、貴族の中にいる人の話を観て、より貴族についての理解が深まった。

さらには、貴族についての理解が深まると、その世界から堕ち、それでも懸命に庶民として振る舞おうとしていた、斜陽に出てくる男の気持ちが痛いほどわかった。

物語は不思議なくらいに、点と点とではなく、面と面で繋がっていくのだ。

また、これら三作品を観て、より強く認識できたことがある

何がわかったかと言うと、

人間、立場こそ違えども、それぞれが、それぞれの悩みを抱えている

ということだ。

貴族であれ、元貴族であれ、執事であれ、庶民であれ、皆、悩みを抱えながらも必死に生きている。

そんなこと当たり前なんだけど、本やドラマで、こうやって丁寧にその人の心情を描いてくれると、皆が悩んでいる事をよく理解できる。

皆が悩んでいることを、強く認識できることは、僕を成長させる。

人に寄り添え、より優しく接することができるからだ。

例えば、今、叩かれまくっている首相。彼だって冷静に考えれば同じ人間で、彼なりの悩みを抱えているはずだ。

例えば、僕が今大好きな役者の高橋一生さん。素晴らしい演技を日曜ドラマで魅せてくれているが、この境地まで達するのに、相当な努力をし、今も更に向上するために悩みを抱えているはずだ。

そう、テレビに出てるような人だって、政治家だって、僕らだって、皆んな皆、悩みを抱え、それでも生きているのだ。

その人達のことをより理解するには、まずはこうやって皆んな同じ人間で、それぞれ悩みを抱えていることを認識することなんだなと、三作品を堪能して、頭ではなく、心で理解できた。

だから素晴らしい作品ってのは、素晴らしいのだ。

そして今回のように、貴族なら貴族で、一つテーマを持って、同時期にそのテーマで描かれている作品に触れる事は、良い。

多面的に物事を見れるようになるのでとても勉強になる。

今後は意識して取り入れていこうと思う。

終わり

斜陽


日の名残り

ブリジャートン家








ここまで読んでいただきありがとうございます。