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つつうら
2021年10月21日 21:17
開いた傘をそのままに、坂を下る。宛ら追っ手から逃れんとする犯罪者のように。 今日は早朝から、雨が降っていた。雨の日。雨音も鉛空も、嫌いではない。然し、軋むような偏頭痛があるから、どうしても好きにはなれない。一層の気鬱さから、私は二度寝に耽る。二度目の起床は、比較的早く覚めた。今日の目的を思い出したからだ。私は起き上がると、身体に纏わりついた倦怠感を振り落とすべく、挽きたての珈琲豆を使った珈琲