8月26日 南陵先生ご自宅片付け後記


南陵先生のご自宅を片付けに向かう。
一門の若手、そして小南陵先生と我が師匠・玉秀斎、さらには南左衛門師匠の御一門から旭堂南龍先生も来られての作業になった。

南陵先生の収集された古書の類は膨大で、国立国会図書館にも無いような貴重な品も数多くあるらしい。
あまりのことに南陵御一門でも一体古本をどうするべきか、ということの方針が決まっていない。とりあえず冊数を数えたり整理をしたりするというムーブが始まっている今である。
僕も古本と普通の本を分けたり、貴重そうなものをご子息である南也さんに報告したりした。
しかし今日は僕はちょっとムラの気があったのか、エロ古書にばかり目が行く始末。
明治・大正のエロ。
「軟派小説特集」「地下にうごめく陰獣」「〇〇舐め地獄」みたいな本から阿部定の供述をまとめた本まで出てきた。貴重なエロ。国会図書館未所蔵のエロ。ここにしかないエロ。
殆ど大人の本屋として高名な信長書店状態だ。
もちろん南陵先生は講談師なので実際の織田信長の本も出てくる。
そういう意味では信長書店よりも信長書店だったかもしれない。

ともかく片付けは進んでいく。
南陵一門の方々の昔の写真なども出土、する。
南慶兄さんの若いころの写真、すごい色男で面白かった。

3時間ほど作業をしてヘロヘロになる。
身体を拭くとスースーするやつで腕などを拭くと埃の付着がひどく。デロンデロンになって正直テンションが上がった。
デロンデロンが今日の作業の証明だろう。

ヘロヘロになりながら師匠・南鈴姉さん・南遊兄さん・南璃さんと電車で梅田へ。
皆さまとお別れしたあと師匠にお茶をごちそうになる。
ヘロヘロを反映してレモネードをごちそうになったのだった。身体に染みた。

そのあと十三まで戻ってきてエキナカのカフェで作業をする。
している途中に強烈な眠気。
何度も気を失いそうになる。
しかしながらそれでもこらえて、と思っていると気が狂いそうになる。
あんまり気が狂いたくないなあ、と思ったので机に突っ伏して一睡する。
10分ほど眠って正気感が出たので、とりあえず今日の日記を書いている今。
どうだろうか、僕は正気なんだろうか。
そんなことが分かったことは多分今まで一度もない。これからもわからないだろう。ああ。
嗚呼。嗚呼。嗚呼。


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