浮かれた夏休み 2024
お盆休み、浮かれてる。
8月も今頃になると、7月の末に打ち立てたダラダラしない!キビキビ動く!のスローガンからどんどん遠のく子どもたち。
暑さも相まって、ダラダラ、ウダウダ。
毎日、半分溶けかかるように人間をしている。
そこに来てわたしの夢の7連休がぶつかったもんだから、3人はついに完全に溶けきってしまった。
先日、そんな溶けた3人を型にはこめみ人間の形にもどして出かけたのはステーキハウス。
人間に戻ったばかりにしては豪華かよ!!
と、思うやんね…。
豪華の理由は、祖母が京都から来訪したからだ。
普段なかなか会えないので、この機会にみんなでお昼を一緒に頂くことになった。
祖父が他界してから約20年…それからずっ1人暮らしの祖母。
1人だとステーキ肉を食べることもそう無いだろうと母がお店を選んでくれた。
あやかるかたちで便乗する我々。
昼からステーキとか最高すぎる。
わたしは少し前から、にわかに少食を続けている。なのでステーキなんてヘビー級のお食事の前は少しでもの思いから朝は食べなかった。
ここ数日…半溶け人間達は朝になかなか起きてこない。朝ごはんがどんどん遅くなる。
んもーーー!
朝食べてくれないとキッチンが片付かない。
そうだ!溶けてんねんから、朝ごはん子ども達もいらんくない?
母の心で悪魔がささやく。
「シラーーーっと朝ご飯すっ飛ばしてみよう!」
成長期の子どもたちは何時も腹ぺこだ。みんなに驚かれるのだけど、我が家の米の1日の消費量は平均8合。
幻のように米が消える不思議な米びつ。いつもすぐ10キロがカラにる。
(いや…みんなが食べてるだけやねんけど)
朝ご飯の時間が遅くても、昼になれば昼ごはんを食べる。夜もしかり。
なにが何でも3食を死守したい人々。
しかーし! 今日のお昼は普段よりかんなり豪華。
だから1日ぐらい子ども達も朝ごはん、なしでいっかな?
洗濯や掃除を済ませるも朝ごはんを用意しなかった。
ほんの少し3人がザワザワしてる感じがしたがノールックで家事にいそしむ。
溶けてる自覚があるのだろう…朝ごはんが無い!!の主張がなんとなくできないでいる。
フフフ…母の思惑通りだ。
結局、昼近くなるといよいよ不満げな空気は部屋を占領し始める。
だけど、どんなに占領されても空気を全く読まない振りをしてお店に到着まで漕ぎ着けた。
計画通りだ、母の勝利!
勝利を噛み締める母の横に座るなり小5の次女が
「もう…カランカランやねんから」
お腹が、減りすぎで不機嫌になっている。
ペコペコを通り越してカランカランらしい。
「カランカランってなんなん?」
(わかってて聞く)
「体の中が空っぽってことやん」
ムッとして答える次女。
「ステーキを今から沢山食べれるからいいやんいいやん!」どこまでもわざとヘラヘラして答える母。
こちとら君らの夏休みとか関係なく7連休までは働いてきてんから!
8月に入ってから半溶け人間たちにちょっとイラッとしていたのでささやか仕返しだ。
普段とんでもなくハイテンションの次女が空腹ゆえテンション低めだったがステーキを食べ始めるとフルパワーー!
普段の調子がもどってきたようだ。ニコニコしている。
軽快にお肉をカットしてパクパク口にリズムよく運んでる。
んん?? ちょっとまって…
次女の鉄板を見ると1カットがめちゃ大きい。人並みの3倍ぐらいはある。
気になったので、
「もう少し小さくカットした方がええよ」とアドバイスした。
いつもみたいに明るーーく
「ほんまや!」とか
「大きすぎたかな?」とか、ニコニコして素直に適切な1カットに応じるかな?と思ったが…
次女、まさかの一言!!
「楽しんでんねん!」
ステーキで楽しむ? そんな人をはじめて見たわ!
オモロ!!
わたしは楽しむ発言にウケてゲラゲラしていた。
が!! 次女のステーキに挑む姿があまりにも真剣だったので、真顔に戻る。
「ごめっ」
「楽しんでなー」
次女の鉄板からそっと目を逸らした。
1食でも逃すと人格の変わってしまうことが判明した次女にビビながらも、人類ではじめてステーキを楽しむ人に出会えた喜びまたも同時に感じていた。
浮かれた夏休みはまだもうすこし続く…。
絶対に1食も外せない戦いが待っていると思うとやや緊張感が走る。
ちなみに明日、早朝から他府県に川遊びに行く予定のある我が家。
朝ごはんは現地か道中でいいんでない?と甘く考えているんだど…
次女よ。そこまで待てるかい?
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