年収500万(家賃補助込)と年収500万(家賃補助無)はどっちがイイ? -採用人事のホンネ①-
こんにちは、星野です!初めての「ゆる読みHR」の投稿。「採用人事のホンネ」というシリーズで今後も連載していきます。
「A年収500万(家賃補助込)とB年収500万(家賃補助無)だったら、どっちがイイ…?」
福利厚生を求める就活生が増えていると感じる昨今。この問いの回答、皆さんはどう考えますか?
<自己紹介>
新卒で人材サービス会社に入社。4年間法人向けの採用コンサルティング営業を経て、現在は自社の新卒採用人事をしています。複業では採用コンサルやWEBライター業。
趣味はプロ野球観戦とメルマガ執筆で、「はたらく朝から楽しもう」という朝コラムを書き始めて早9年。本連載では様々な企業様の採用支援、そして現在は自社採用に関わる身として日々感じるホンネを書き連ねます。
<高まる“家賃補助”を求める声>
昨今、新卒採用に関わる中で、家賃補助を求める声の高まりが印象的です。2002年頃生まれ就活生は幼少期にリーマンショックや東日本大震災、大学入学前後にCOVID-19の流行を経験していることから、“安定”への意識がより強い世代なのかもしれません。
家賃補助や退職金等の会社が用意する福利厚生に関心を抱く就活生が、ここ最近増えてきているという肌感覚を持っています。
<年収500万(家賃補助込)と年収500万(家賃補助無)はどっちがイイ?>
「A年収500万(家賃補助込)とB年収500万(家賃補助無)だったら、どっちがイイ…?」
あまりに家賃補助を重視する声が大きいので、何人かの学生に最近聞いています。まだ10名弱にしか聞いていませんが多くの方が、A=年収500万(家賃補助込)が良い、と回答します。その理由は「安定性がありそう」、「福利厚生が充実しているほうが良いから」。
<社会人目線のリアルな回答>
上記と同様の質問を何名かの社会人にしましたが全員がB=年収500万(家賃補助無)と回答しました。ここからは私の意見ですが社会人目線からすると後者の方が断然良いなあと思います。
仮に家賃補助50万円だとすると、補助抜きの年収(ここではベース給と呼ぶ)はA:450万円、B:500万円。このベース給は基本的には高い方が良いと思います。
まず、補助や手当は絶対的なものではありません。
会社規程により対象外になることもあれば企業や社会情勢の変化により手当そのものがなくなるケースも。実際に昨今、家賃補助等を廃止する企業も増えています。
一方、基本給が減給されることは日本社会では稀です。また多くの場合、賞与の基準額は基本給でありここに諸手当等は含まれません。さらに転職市場においていわゆる“市場価値”を考える際も、自分自身が稼いでいるとされる年収は諸手当抜きで換算されることも多いです。
これらの理由から年収総額が同等である場合、ベース給が高い方が良いと思います。
※上記のAのメリットがあるとすれば税金観点かと思いますが中長期のキャリアを考える、こと新卒での判断においてはBの方がメリットは大きいと思います。
<就活市場での大人の役割>
この“年収500万(家賃補助込)と年収500万(家賃補助無)はどっちがイイ?”論争。皆さんはどう考えますか?
私は興味深いなぁと思うと共に、適度な危機感と責任感を感じます。本件はただの一例にすぎませんが、このように「社会人にとっては自明でも就活生はわからないこと」はたくさんあるのが今の就活市場の実態です。
もちろん人間ですからもらえるお金はもらいたいし家賃補助はないよりあった方が良い。
安定を求めたい気持ちもわかる。
その気持ちから感覚的にAを選ぶ就活生の心理もわからないでもないですが、そこに対して社会人目線のリアルを伝え、誤認がもしあれば見過ごさず正すのが関わる大人の役割だと思います。
まだまだ未完全な日本の就活市場。
就活生に関わる大人が高い倫理観と大きな度量で自社の利益追求だけでなく、未来の日本を担う就活生を育てるマインドを持てたら、よりよい就活市場になると思います。
そんな市場を皆で創っていきたいです。
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