空想お散歩紀行 魔力を増やす方法
魔法の力。それはこの世界では生きていく上でなくてはならないものだ。
物を動かす、火や水を操る、空を飛ぶ。ありとあらゆる魔法が古今東西で、おそらく一秒と間を開けることなく発動しているのが現代社会だ。
だが魔法とて万能ではない。できることに限界はあるし、使うためには代償を払う必要がある。
それの一つが魔力だ。個人のもしくは集団の魔力を消費することで魔法は発現する。
当然魔力量が多いほど使える魔法の規模や範囲、持続時間などが大きくなる。
一概に魔力量が多ければいいというわけでもないが、多くの魔力を持っている人間の方が何かと有利なのは間違いない。
だからこそ人々は自分の魔力をどれだけ増やせるかに人生の多くの時間を悩みに費やすのだ。
魔力は増やす方法はこれまで「成長」と「訓練」が最も長い間常識と思われてきた方法だ。
基本年齢を重ねると魔力も増加する傾向にある。しかしこれはある一定の年齢まででその後はストップするのが一般的だ。
だから人は訓練を重ね魔力量を増やすよう努めてきた。
しかしこれには、個人の才能や環境などの要素に左右されることが大きく、確実な方法とは必ずしも言えない。
そこで近年注目されているのがもう一つの方法「投資」だ。
自らの魔力を一部、専門の機関に預ける。そこは集まった魔力で事業を行い、より大きい魔力にする。そうして増幅された魔力を投資者に還元するのだ。
こうすることで、10預けた魔力が15や20になって還ってきて自らの力を増やすことができる。
リスクは高いがその分リターンも大きいコース。堅実にリターンを得ていくコース。毎月コツコツと積み立てていくコース等々、個人の状況に合わせた様々な商品がいまや世界中で販売されている。
いかに魔力を効率的に投資するか、巷ではそんな書籍が毎月のように新刊が発売され、その売れ行きは留まることを知らない。
このおかげで、まだ若くして賢者クラスの魔力を得た者も少ないが確実にいる。
このことは、もしかしたら自分もと多くの人の心に火をつけ、さらに熱は高まっていく。
だが、人々は魔力を高めることだけに目が行ってしまい、得たその魔力で何をするのか、そこまで考えているのは果たしてどれくらいいるのか、その疑問に対する答えはどんな魔法でも分からないのかもしれない。
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