空想お散歩紀行 サッカー・ユニバースカップ
さて、地球の諸君ごきげんよう。
私の名前はグラウツ。フィードサカ星の者だ。
君たちに分かりやすく言うなら宇宙人というやつだ。私から見たら君たちの方が宇宙人だがね。
すまない。少し話が逸れた。単刀直入に言うが我々の目的はこの地球の征服である。
いきなりで面食らうと思うが事実だ。
だがあまり心配しないでほしい。我々が君たちを支配すると言っても、何も奴隷にしようといわけではない。そんなもの今の時代には流行らない。
君たちに理解できるよう例えるなら、これからは私たちが君たちの上司みたいな立ち位置だろうか。
我々の指示に従い働いて欲しい。そうすればちゃんと豊かな生活を保証しよう。
悪い話ではないはずだ。君たちの文明を観察させてもらったが、実に効率が悪い。改善点が山ほどある。でもそれは今は君たちでは実行不可能なレベルだ。我々はそれができる。
念のため言っておくが、我々と戦うことはお勧めしない。我々の技術は君たちのそれを遥かに凌駕している。今、君たちと話すために使っている翻訳機の性能だけでもそれが分かるだろう?地球人はそれくらいの理解力はある種族だと思っている。
だが、頭では理解できても気持ちの方はそうはいかないだろう。
我々も、できれば君たちには可能な限り納得して我々の下に入ってもらいたい。
そこでチャンスをやろう。
調査したところ、我々と君たちの文明の間で非常に近いものがある。
それは、クリスタ・ボンサルテリアだ。
おっと失礼、これでは伝わらないな。
君たちの文明で言うところの、サッカーという名のスポーツのことだ。
使う道具、参加人数、ルール、あらゆる面で酷似している。
これを使って、我々の選抜チームと君たち地球代表チームと試合をしようではないか。
それで君たちが勝てば、我々は地球征服はあきらめ立ち去ろう。
だが、我々は君たちよりも遥かに長くこの競技に取り組んできた。
そこで君たちにハンデを与えよう。
我々の技術の一つである、時空間移動機械を貸そう。
それを使い、君たちのサッカーの全ての歴史にいる有能な選手たちを全盛期の状態で集めるがいい。
そうすれば、よりおもしろい試合となるだろう。もちろん我々は手心は加えない。
では、試合の日は地球時間で1年後。場所は君たちで決めてもらって構わない。後日こちらからまた連絡を取ろう。
お互い、正々堂々と戦おうではないか。
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