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空想お散歩紀行 サスティナブル・マジック

栄枯盛衰、生者必滅。どんな人も、国も、時代も、永遠に栄え続けるなんてありえない。
力が衰え、そして滅ぶ時は必ずくる。それは、どんなものも逃れることはできない。
「よし、じゃあ今日も開店」
看板を表に出す。今はもう珍しくなった商店街の一角。そこにある一軒の店。
見た目はなんてことはないファンシーショップ。小中学生の女子が主な顧客層の店だ。おまじないや占いが好きな年ごろの子や、そういうのが好きな大人も時々来る。
売っているのはどれもこれも、魔法の力を宿したとされる物ばかりだ。子供はどうか知らないが、大人は正直に信じているわけではない。あくまで雰囲気を盛り上げるための演出だと思っている。
だが、100%嘘というわけではないのだ。
実際この店の店主は魔法使いだった。古代から続く魔術の力。それを継承している。
だが、かつて世界を表から裏まで支配していた魔法の力は廃れ、今や人々の記憶にも伝説やおとぎ話程度にしか残っていない。
そこで魔法使いたちが何とか魔法をこの世界に残していこうとして考え出したのが、持続可能でサステナビリティで、エスディーでジーズな方法だった。
このファンシーショップの店主は魔法の実験の際に使用して砕けた石の欠片、本来なら捨てるしかないそれを、パワーストーンとして売っている。確かにほんのわずかではあるが魔力がこもっているのでウソは言っていない。
他にも、使用済みの札をメモ帳としたり、魔力切れして動かなくなった小型ゴーレムをマスコットキーホルダーにしたりと、工夫を続けている。
それも魔法を少しでもこの世界に残していくためだ。
むしろこの店は分かりやすい方と言える。
実はこの商店街のあらゆる店が、魔法を使って商売をしていた。
本屋も、洋服屋も、理髪店も八百屋もだ。
ここは魔法使いたちが住み、商売を続ける商店街。しかしそのことを知る者はほとんどいない。今日も密かに魔法は世界の片隅で未来にその力を残そうと健気に活動を続けている。

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https://note.com/tale_laboratory/m/mc460187eedb5

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