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今の僕に出来るだろうか?

『パフォーマンス医学』 先読みレビュー12 杉山 鉄男さん

 僕は去年還暦を迎えた、ただのひょろっと背の高いオッさんですが、数年前にイラストレーターという肩書が増えました。

そのきっかけとなったのが『可能性にアクセスするパフォーマンス医学』の著書である、二重作拓也さん(Takkiさん)とのご縁。

 プリンスが亡くなり途方に暮れていた2016年。その年の秋に『プリンスの言葉』という本が刊行され、僕は迷う事なく購入しました。そしてそれをSNSに投稿すると、何と著者ご本人からお礼のDMが! その著者ご本人というのが二重作拓也さん。 それがTakkiさんとの出会いでした。

 その翌年の事、Takkiさん運営のプリンスファムサイトで“プリンスアートコンテスト”の作品募集がありました。 僕は中高生から20歳前半くらいまで趣味でイラストを描いてましたが、その募集を見て

「そういえばプリンス描いた事ないなぁ」

 と、当時の道具を探し出し、一枚のプリンスイラストを点描で完成させ応募しました。(さてコンテストの選考結果は如何に!?) 程なくしてTakkiさんから連絡がきました。


「こんど『プリンスの言葉』の英語版“Words'O'Prince”を出す事になったので、アートチームに参加しませんか?」という打診でした。

 それはとてもとても嬉しいオファーでしたが、当時の僕は(今もですが)胆管の治療中で余り無理のきかない身体で、(〆切もあるだろうし、はたして今の僕に出来るだろうか?)と内心、躊躇していました。 以前の僕なら「出来るどうかわからないから」とお断りしたかも知れません。

 ただ、その時の僕は『プリンスの言葉』に出会った僕でした。 『プリンスの言葉』には自己改革や限界を超えようとする大切さに気付かされました。

 プリンスの周りのミュージシャンは、プリンスから無茶振りの様な提案を受け入れ、自らの可能性を広げた人が沢山存在します。たとえば、パーカッション奏者のシーラ・Eがプリンスの尽力でソロデビューしたら、大ヒットを記録した、などの実例がいくつもあるのです。

僕は迷わず(内心は少し迷った・笑)「やります!」と返答しました。

 そして、これまほどんど描いたことがなかったミュージシャンのイラストを色々な描き方で描かせてもらいました。 プリンス、シーラ・E.、マイテ、ジョン・ブラックウェル、マルティカなどなど。



“「できるかどうか」は心配を生む。 「やる」は試行を生む。”

“Words'O'Prince”参加から3年後の2021年、僕は再びTakkiさんからオファーを受けました。 今度は『Dr.Fの格闘技医学・第2版』の「脳と運動」という章の図説イラストを描いて欲しい。という、今度はプロのイラストレーターとしてのお仕事の(嬉し過ぎる)依頼でした。

 これには前回の経験やそこから生まれた自信から迷う事なく(今回は本当に迷わず・笑)お受けしました。

 最初に「脳と運動」のテキストを送っていただき、「ここに、こんなイラストが欲しい」というものも数点ありましたが、それ以外の多くは「杉山さんが読んで浮かんだイメージで描いて下さい」というチャレンジで、自由に描かせてもらい、Takkiさんとキャッチボールしながらブラッシュアップして行く、という感じで進みました。


 こういった形で絵を描くのも初めてでしたが、充実した体験となりました!

 今回『可能性にアクセスするパフォーマンス医学』を拝読して真っ先に、僕はTakkiさんと出会った時から『パフォーマンス医学』を学ばせて貰っていたんだなぁ、という事に気づきました。 ホントに色んな可能性にアクセスできました。

 「脳と運動」のイラストを担当した事で学んだ「脳内のイメージを変えればパフォーマンスもかわる」。 本書ではこれが更に細分化され、こと細かな解説がされているので、日常において様々なパフォーマンスを実践する僕たちにとって役立つ様々なヒントを発見する事が出来ると思います。

 本書は新書判で持ち運びも楽ですし、解説されているパフォーマンスもあまり場所をとらないので、家庭や職場や学校でも試す事が出来る良さがあります!

 カラテ家、医師、格闘家のリングドクター、セコンド、海外ミュージシャンのツアードクター、プリンス伝道師、著作家、そして1人の人間としての二重作拓也さんが視てきた景色の共有。 そこから「自分の景色を視に行って欲しい」という二重作さんのメッセージがひしひしと伝わってきます。

一家に一冊!いや、一人一冊持っていて欲しい!そんな本です!!

 限界を超えよう、境界を越えよう、そして還暦を跳びこえた僕が、まだまだ元気でいられるよう、この本を活用したいと思います! その先はきっと『可能性にアクセスするパフォーマンス医学』が守ってくれる。 Takkiさん、ありがとう!!!

PS そして杉山鉄男さんのイラストも(迷わず掲載の)拙書はこちらです。


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