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「そういうもんだ」という思い込み

『パフォーマンス医学』 先読みレビュー10 あんどうなつさん

子供の頃から(今でも密かに)憧れていること。

走るのが速い
球技が得意
踊るのが上手
歌がうまい
字が綺麗
etc...

でも、それって「その人の資質だよな~」と思っていました。
だから、「そうなれなくてもしょうがないよね」と諦めていました。

「そういうもんだ」という思い込みで、何も考えず、何もしようとせずにスルーしてきたことが今までどれくらいあるだろう?

と改めて思えば、ほとんどがそうだったことに気がつき、愕然としたのは数年前のこと。

何気なく行っていることってたくさんあって。
でも、その行動ひとつひとつについて、なぜそうするのか等の理由や効率を考えることってあまりないんですよね。いや、ほどんどないかもしれません。

その行動で上手くいかなかったり、何かに躓いたりしていなければ、それは何気ない日常の一コマですから、疑問にも思わないのも当然です。

動作について疑問を持ち、かける言葉で行動が変わる、それってどういうことだろう?

そんなことを考えるようになったのは、格闘技を始めてからでした。

授業でも部活でも経験してこなかったこと、非日常的な動きをするので、しっかり見て、ちゃんと考えながらやらないと、笑えるくらい出来ないのです。

構えは?
手はどこに?
軸足はどこにつけば?
蹴った時の腕はどれが正解?等々。

私の場合、大人になってから始めたのがたまたま格闘技だっただけで、始めたのが他のスポーツや楽器でも、同じように感じたり、考えたりしたんじゃないかと思います。

それはなぜか。

いろんな経験を積み、年齢を重ねた私は「効率」というものを考えるようになったから。

ただなんとなくやっているだけじゃ、うまくいかないのよー。
興味を持って始めたことだから上手にやりたいのにー。
闇雲にがんばるほどの時間も情熱もアレだしさー。
うーーーん・・・

心の声は そんな感じです。

そう思っていても、圧倒的に正しい知識が足りていないし、(誤解を恐れずに言うならば)その道のプロと名乗る人ですらゴニョゴニョ…な状態でしたから。

それは格闘技に限ったことではないでしょう。

スポーツに限ったことでもなく、まさに「身体をつかう」全てのことに共通します。

今までどうにか力業でやり過ごし、「?」のままだったこと。
それを この本は「!」に変えてくれました。

読み進めていくうちに「もっと早く知りたかったーーー!」が溢れてきます。

えぇ、それはもうとめどなく。

知り得たばかりのことを誰かに話したくて、試したくて うずうずしてくるのです。話したり、試したりしなかったら、何かが飛び出しそうになるくらい猛烈に。

誰に言おう、誰と試そう、あの子に教えたい、一緒にやってみたい。
ワクワク・・・ソワソワ・・・

身体で何かを表現する職業になくても、身体は日常的につかっていますから。これは人の輪の中に置いて、アレコレ試したくなる本なのです。

「人間の身体は知れば知るほど合理的です」

くぅー!知らなかったばっかりに…。
知っていれば、もっと出来たんじゃない?
アレもコレも本当はもっと、合理的に上手に出来たんじゃないの!?

いやはや、後悔だらけです。
振り返るまでもなく、アレもコレも後悔の山。

でも、もう大丈夫。
強力な味方を手に入れました。

「今よりもっと」の想いを照らしてくれるヒントの宝庫を。

あぁ、子供の頃に出会いたかった、この本にも二重作先生にも。
それはもう切実に。

自分の「身体」に指令を出す「脳」に指令を出せるのは、自分の「知識」なんだなぁ…。

それは、新田明臣さんと二重作先生がトレーニング中に思いついたという言葉

『意識が変われば景色が変わる』

に繋がります。

『知識が加われば、意識が変わり、景色も変わる』と。

なりたい自分になるために。
憧れた姿に少しでも近づくために。
この本を携えて。             あんどうなつ



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