3つの試練を乗り越えて、より楽しめる読書会へ【第510回 読書会開催レポート】
古事記を楽しむ読書会、第4回は出雲大社の御祭神 大国主神(オオクニヌシ)をテーマに開催しています。大国主神にテーマを絞ったものの、大国主神の物語は幅が広いので、様々な視点で対話を楽しむことができました。
国造りの神として崇敬されている大国主神
古事記に登場する大国主神の物語は波乱万丈です。大枠で次の5つの物語に分けられます。
因幡の白兎を助けて、八上比売に求婚されるが、兄達の八十神に2度も殺される
須佐之男(スサノオ)に助けを求めて根の堅洲国を訪れたところ、須勢理毘売命(スセリビメ)と結ばれるが、須佐之男から数々の試練を受ける
八千矛神として国中の美女を側室に迎えるため全国行脚したことで、須勢理毘売命(スセリビメ)が嫉妬するも、歌を交わすことで仲直り
少名毘古那(スクナビコナ)と大物主(オオモノヌシ)の力を借りて国土を豊かにする
大国主神へ国を明け渡すように、天照大御神(アマテラス)の命で天忍穂耳命(アメノオホシミミ)・天菩比命(アメノホヒ)・天若日子(アメノワカヒコ)が遣わされるが、ことごとく失敗。建御雷之男神(タケミカヅチ)による武力行使で、国譲りが成立する
どの物語でも大国主神は上位の男神に嫉妬されつつも、女神を中心にさまざまな神様を魅了し、数多くの力添えを受けます。そして、国造りの功績と国譲りの見返りとして、出雲に壮大な社(出雲大社)を建てもらうことで、末永く祀られることとなりました。
出雲大社という巨大神殿
天照大御神と対を成すほどに存在感のある大国主神。その影響力を示すものの一つとして、出雲大社が存在します。現在の出雲大社の本殿は24メートルと8階建てビル相当の高さになりますが、古代の本殿は2倍の高さで、48メートルの巨大神殿だったそうです。
奈良の東大寺 大仏殿が同じく高さ48メートルで世界最大級の木造建築となります。出雲大社の巨大神殿が創建された時期は不明ですが、奈良時代には出雲大社が存在していたと考えると、大国主神の影響力の大きさに驚くばかりです。
試練を乗り越え、より楽しめる読書会へ
大穴牟遅(オオナムヂ)は須佐之男命が出した三度の試練を経て、大国主の名を授かりました。そして国譲りも、天照大御神と大国主神の間で三度に渡る試練を経て、無事達成されます。
古事記をたのしむ読書会も様々な試練を乗り越えて、より楽しめる読書会を目指したいです。その試練を三つあげるとすれば、次のとおりでしょうか。
より対話が充実する読書会の構成
タイムリーな開催レポートの公開
参加したくなる読書会告知の方法
どれも道半ばではありますが、大国主神を見習い、多くの人の助けを得て、この試練を乗り越えて行きたいです。お力添えをください。
次回は、地上に降りた神様の夫婦・兄弟の諍いをテーマに対話します
次回6/9の第5回では、日向三代の邇邇芸命と山幸彦をテーマに古事記を読みます。
最高神 天照大御神の命で地上に降りた、天孫の邇邇芸命(ニニギ)。邇邇芸命と木花咲耶姫(コノハナサクヤビメ)の間に産まれた、火遠理命(ホオリ)。山の猟が得意だった火遠理命は、山幸彦とも呼ばれます。その山幸彦と豊玉毘売(トヨタマビメ)の間に産まれた、鸕鶿草葺不合尊(ウガヤフキアエズ)。この三代の神様は日向三代と呼ばれており、神々から初代 神武天皇に繋がる系譜として、古事記で丁寧に語られています。
邇邇芸命・山幸彦のお話も、ユーモアありの不思議なエピソード満載です。天と地、山と海、火と水の全属性を三代で獲得していく、神々の物語をいっしょに楽しみましょう。
みんなの参加目的
古事記から教訓を得たい
参加者の考え方を知りたい
大国主神を知りたい
大国主神に想いをはせたい
大国主神の愛されキャラの理由を知りたい
読書会をたのしみたい
大国主神の出来事の流れに対する理解を深めたい
出雲大社に行きたくなる
本好きとの対話を楽しむ
次につながるヒントを得たい
みんなが持ち寄った古事記
参加者さんの感想
大国主神=チャラ男 のイメージが強かったが、対話をとおして、平和主義、多くの人に助けられるなど、多面性を知ることができた
大国主神の非暴力主義な接し方に見習いたい
国譲りは力の行使はあるものの、全体的に対話をとおして平和的に行われており、海外の神話と比べても平和的だと知った
大国主神のように交渉時には相手の反応をよく見て勇気を出して提案できるようになる
著者や監修者の切り口により、多彩な古事記の解釈が存在することを知れて面白かった
今後の読書会開催予定
モーニング読書会の今後の開催予定は次のPeatixサイトより確認できます。ご参加、お待ちしております。😊
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