タイ&ラオスで食って飲んで寝る日々 ④ルアンパバーン
バンビエンからラオス中国鉄道に乗り、1時間ほどでルアンパバーンの駅に到着した。
駅を出ると大雨だった。
ここ数日夕方からいつも大雨な気がする。
駅前には何人かバンの客引きの方がいたので、シティーセントラルに行くというバンに乗り込むことにした。
バンはあっという間に満員になり、即出発。280円ほどだった。
ルアンパバーンの駅から街まではそれほど離れていないようで、15分ほどで街中心部に到着。
バンから降り、宿まで歩く。
え!なんかオシャレなんだが。
街全体が世界遺産になっているだけあって、京都とか金沢のような街並み保存地区風の景色が続いた。
えー、こんなにきれいなのか。これは来てよかった。気持ちが高揚しているのを感じる。
一方で、キレイすぎて、バンビエンの飾りっ気のない街並みが少し恋しくなったりもした。
宿にチェックインし、すぐさま夕食をとることに。
食後、だんだん眠たくなってきた。昨夜豪雨で夜中何度か目が覚めたり、移動の疲れもあり、今日はすぐ寝ることにしよう。
宿に戻る途中、甘いものが食べたくなり、屋台でロティ(クレープみたいなデザート)を買う。宿の共用スペースでサクッと食べて、すぐさま寝よう。
と思っていたが、共用スペースにいたオーストリアと中国の方々と談笑していると盛り上がり、みんなでビールを飲むことになった。
オーストリアと中国の方は、タイからメコン川を渡り、ルアンパバーンに来るボートで一緒になり、仲良くなったらしい。
私もそのボートの存在は知っていて興味はあった。ただボートに丸2日間乗っていないといけないと分かり早々に諦めた。
欧米の方々には意外と人気なルートだそうだ。
平和にワイワイとビールを飲んでいると、移動疲れも忘れ、結局夜遅くまで楽しんだ。
8/14(水)
朝起きると快晴だった。ラオスで初めて見る青空だ。
ルアンパバーンの宿も、やはり朝食付きにしていた。
Downtown Hostelというドミトリーで、建物はかなり綺麗。新築なのかな、それか改装したばかりなのかも。
そして、なんと一泊700円だった。
タイも宿安いけど、ラオスはさらに安い。宿泊費抑えられるのはありがたいなー。
朝食後は街歩きしてみることにする。
やはり街中心部は映えスポットだらけだ。映えないところを探すのが難しいくらいに思える。
美しい自然と建物、そしてゴミのない綺麗な道。歩いていると心が清々しい。
街の観光客も明らかに多い。昨日までバンビエンにいたというのもあるが、明らかに人口が増えた。
観光客のタイプも、家族連れ、女子旅の方などバンビエンではあまり見受けられなかった方々が多い。日本人もよく見る。
なんか、観光客が着ている服もちゃんとしている気がする。
私は今日、捨てるつもりで日本から持ってきたヨレヨレTシャツを着ている。
バンビエンだったら気にならないけど、ルアンパバーンではやや恥ずかしさを覚える。
それくらいバンビエンとルアンパバーンのギャップを感じるのであった。
よく歩いて、昼になった。
事前に調べていたカオソーイ店に行ってみよう。
タイのカオソーイはカレースープだが、ラオスでは肉味噌スープというのを事前に調べていた。
店に到着すると、何も注文せずともカオソーイが出てきた。
見た目は辛そうだけど、辛さはあまりなく、あっさりしていておいしい。
同じカオソーイという名前だけど、味は全くの別物だった。米粉麺なので、カオソーイというよりフォーに近い気がする。
食後はメコン川沿いのカフェでまったり。
なんかあまりにも優雅に過ごしていて、心地よいのだけれど、ここまで優雅でなくてもいいかもとも感じる。
もう少し年齢を重ねた、リタイア後とかであれば、これくらいが良いかもしれない。
ゆっくりできたところで、宿に戻り休憩。
しばらくして、プーシーの丘という、ルアンパバーンの街が眺められるところに行ってみることにした。
そこに向かっていると、バンビエンで一緒に過ごした日本人のDさん、Tさんから連絡があり、二人もルアンパバーンに到着したとのこと。
二人もプーシーの丘に行くつもりだったそうなので、丘の頂上で再会することになった。
ひたすら階段を登り、頂上に到着。思っていたよりはキツくなくて良かった。
確かに、景色は抜群だ。サンセットにはまだ時間があったけど、雲から降り注ぐ光のカーテンのような光景はとても美しかった。
一箇所岩が飛び出ているところがあり、そこがフォトスポットになっているらしい。
みんな思い思いのポーズを決め、写真に収めていた。
こういう時にいつも、海外の方は決めポーズの種類が豊富だなぁと感じる。バリエーションも多く、アイドルさながらだ。
今まで生きてきて、アジアの方と何度も絡んできたが、スマホの待ち受け画面が「自分」という方が割といる。
日本人との自己肯定感の差にいつも圧倒される。
しばらくするとDさんとTさんも頂上に上がってきた。
2日ぶりの再開。年齢が近いのもあり、大学時代の友達に会う感覚に似ている。
みんなで丘を降り、ルアンパバーンで有名なラオス料理店で夕食をとることに。
何かよくわからないお酒を頼んだら、ラオスの焼酎だったようで、これが結構度数が強く、すぐに酔ってしまった。
その後しばらく街を散歩。
Tさんが「街並みがキレイでいいんだけど、少しバンビエンが恋しく思えてきてます。」と言った。
やはりバンビエンから来ると、あの緩い雰囲気が名残惜しく思えてくるのかもしれない。
最後はみんなで屋台街に行き、〆のカオソーイなどを食べ、握手をして解散。
ここで本当にお別れだ。バンコクの宿でたまたま一緒になっただけなのに、ここまで一緒に旅できてよかった。本当にありがとうございました!
8/15(木)
今日は昼の飛行機でバンコクに戻る。
日本の友人にお土産を買っておきたかったのでスーパーに行くことにした。
タイで買ってもいいのだけれど、タイのお土産は何度か渡したことがあったので、折角だから今回はラオスで買おうと思っていた。
スーパーに到着し、お菓子コーナーを見る。
お菓子の裏面を見ると、生産国はタイや中国、マレーシアなど外国のものばかりだ。
結局ラオスで作られたお菓子は見つけられなかった。仕方がないのでタイのお菓子をいくつか購入。
「お土産はラオスで買ったタイのお菓子です。」とよく分からないことを言って渡すことになりそうだ。
バンビエンは中国製のもので溢れていたし、ルアンパバーンのスーパーにラオスのものは無かった。
ラオスは経済的に発展してきているのかもしれないけど、その利益の大半は隣国のものになっているように思えた。
タイにいるとラオスの労働者がどんどん入ってきていると聞くし、ラオス人がラオス国内で当たり前のように働いて食っていける日はくるのだろうか。
ラオスのほんの一部分しか見ていないので、詳しいことはよく分からない。
けれど自国の産業でほとんどの国民が暮らしている日本で育った私には、ラオス人が豊かにならず、隣国の資本家が潤っていく構造に、とても違和感を感じるのであった。
きっとラオスと同じ構造の国は他にもたくさんあるんだろうな。
とはいえ、日本も今やネット関連など新しい産業はほとんど外国資本だから、他人事ではないのだけれど。
スーパーを後にし、道端でトゥクトゥクを拾い、ルアンパバーンの空港へと向かう。
ラオスでは社会的なことを考えてしまったけど、旅行者としてはとても魅力のある国だった。
ルアンパバーンは本当に美しく、ゆったりとした雰囲気で、休暇を過ごすのにはうってつけだ。
ハワイもいいけど(行ったことないが)、ルアンパバーンもいい。
たぶん日本から直行便が出れば、北陸新幹線ができたときの金沢フィーバーのように、ルアンパバーンフィーバーが起きそうな気がした。
個人的には、もういちどラオスに来るならバンビエンにもう少し滞在したい。
など考えながらラオス滞在を終える。
ドンムアン空港行きの飛行機は定刻通りに離陸し、私は再びタイへと向かった。
↓つづきです
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